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zoom RSS ドラクエU考察〜聖地アレフガルドの闇

<<   作成日時 : 2013/10/16 18:50   >>

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【勇者を待つ人々】
 T〜V全ての舞台アレフガルドは勇者ロトの伝説発祥の地として有名だ。ラダトームの旅人の宿が極端に安いのは、救国の英雄となる勇者を発掘し、集めるためと思われる。おそらく大魔王を倒すために集められた勇者たちの滞在費を国が補助したのがその始まりと思われるが、以後も勇者の現れる町の伝統として残されたのだと考える。
 しかしその反面、ラダトームの歴代の王は自ら戦わないことでも有名だ。国の危機に自ら先頭に立って戦うことはせず、勇者の出現を待っている。ローレシアとサマルトリアは王子を戦いの旅に出しているし、ムーンブルクの王も敗れはしたが勇敢に戦っている。彼らは勇者の子孫だから戦うのか?そうではない。国の危機に命を賭けて戦うのは国の守護者たる王として当然の行動だ。民を守って戦う力を持っていることこそ王の資格だとも言える。
 だからこそ、有事の際に自分は戦わず、血縁者や信頼出来る者を派遣するでもなく、在野の勇者の力を借りるラダトームの王の行動は王としては不自然なのだ。このような他力本願な王家が何百年も変わらず残っているのは不思議なことなのだ。なぜだろう?

 アレフガルドといえば、大地の精霊ルビスの創造した聖地だという伝説がある。それゆえに自分たちは聖地の住人という強い自負があり、外からの文化や人材に対して非常に排他的である。大魔王討伐後は功績のあった勇者ら上の世界から来た者や教会、南方から持ち込まれた強力な武具などの外からの文化・技術を排除するという行動からは非常に強い選民思想や排他性を感じられる。
 (参考:アレフガルドの知られざる物語 : 教会とアレフガルド、そしてロト

 聖地の住民たるアレフガルド人には自ら戦い、その手を血で汚すのを嫌うケガレ思想があるのではないか。アレフガルドの人々のセリフからは町の外の魔物との戦いは他人事と捉えているフシが見られる。もちろんアレフガルドの各地には兵士は必要なので存在してはいるが、実際に戦っているのは下っ端の兵か、あるいは外部から募った“勇者”に限る。汚れ仕事は下賤な者(聖地の外から来た者も含む)がすることという意識がある。
 自らの手を汚さないアレフガルド人といえば、メルキドの人々もそう。大魔王の時代は戦う事を放棄し、後の時代には人造の魔物ゴーレムに戦わせて自分たちは城壁の中でぬくぬくしていた。

 魔物は倒さなきゃいけないけれど、自分では戦いたくない。でもきっと勇者がどこからか現れて倒してくれるという他力本願な考えはラダトームの王だけではなく、アレフガルドの民全体に根付いている。

 アレフガルド人のメンタリティをまとめると、
 @自分たちは聖地の民だという選民思想がある。
 A選ばれし民族である自分たちは戦いで手を汚さない。
 B自分たちを救う勇者を遣わしてくれると信じている。


 Vの時代の勇者の出現という“奇跡”は彼らの信仰を決定的なものにしてしまった。勇者本人の思いとは裏腹に彼らの選民思想や排他的なメンタリティを強化してしまったのだ。それゆえに役目を終えた勇者たち“異邦人”は聖地アレフガルドから排除されたのではないかと考える。大魔王の脅威という現実問題を前にアレフガルド人は上の世界や海外の戦士や武器、技術、文化、宗教などを受け入れざるをえなかったが、問題が解決してしまえば、用済みになった“不純物”は聖地から排除すべきだと思ったのだろう。アレフガルド人はそのことに負い目は無い。役目を終えた異邦人がアレフガルドから去るのは当然だからだ。

 これら一見不可解なアレフガルド人のメンタリティは一体どこから来たのだろう?

【アレフガルドの闇】
 気位の高いアレフガルド人といえど、大きな負い目はある。それはアレフガルドは聖地であると同時に大魔王が出現した穢れた土地でもあることだ。聖都ラダトームは大魔王の侵入を許し、数々の宝物を奪われ、中でも王者の剣は人々の目の前で砕かれ、心の拠り所たるルビスも囚われ、アレフガルドの人々は絶望に打ちひしがれた。心を折られ、現実から目を逸らし、天からの救世主の出現という夢想にすがるしか無かった。アレフガルドの人々は自分の土地を守れず、大魔王に絶望という供物を捧げる奴隷に成り下がった暗黒時代があったのだ。これは気位の高いアレフガルド人にとって向き合いたくない過去の黒歴史となってしまった。
 しかし奇跡は起きた。
 上の世界から来た勇者が光の玉を携え大魔王を打ち負かしてしまったのだ。大魔王に屈し、抵抗も出来なかったアレフガルド人の現実逃避から生まれた勇者の物語がその通りに実現してしまったのだ。もちろん偶然ではあったが、このトラウマと奇跡は元々気位の高かったアレフガルド人のプライドを歪んだ形で肥大させてしまった。選民思想にケガレ忌避、他力本願の救世主願望…
 大魔王が倒れた後のアレフガルドは実際の功績のあった異邦人たちは追放し、ルビスの伝承は忘れ、大魔王の本拠地のあった中央の島は魔の島と呼んで立ち入ろうとはしなかった。これらは大魔王に屈した過去につながるものだからだ。アレフガルド人は敗北の過去を徹底的に捨て、あるいは封じ込めた。勇者ロトの伝説も都合の悪い過去を覆い隠すために上塗りした厚化粧のようなものなのだ。
 
【そして時は流れ…】
 Uの時代のアレフガルド人はそのメンタリティは受け継ぎながらも昔ほど排他的ではなく、外の世界からの影響を受け入れてきているようだ。時代は進んで、聖地アレフガルドの幻想にしがみついては生き残れないと感じる世代が台頭してきたのかもしれない。
 ハーゴン軍に攻め込まれた時には同じように無力で、外から来た勇者に救われたが、その後は外からの影響を受け入れ、新たな時代に適応する道を選んだ。
 アレフガルドは大魔王の時代とハーゴンの時代、同じような苦難を繰り返し、同じような屈辱を味わい、同じように外から来た勇者に救われた。しかしその後の愚行は繰り返さなかった。過去の選択をやり直したとも言える。

 さらに時は流れて、ロトの子孫が時代の勝者になるとそれまで隠されていたロト伝説の真実が明かされるのだ

 …そして伝説は始まった!



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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
アレフガルドについては辛口な考察が多めですが、別にアレフガルドが嫌いなわけではありません。
黒歴史を隠そうとしたり、追い詰められると現実逃避したり、弱いくせにプライドばっかり高い所が非常に人間臭く、むしろ親近感を感じています。
3が過去の話なのに一番最後に来るのは、今まで言いたくても言えなかった事だからという解釈です。
togege
2013/10/16 19:03
海の考察も含めて今回も胸を躍らせながら拝読させていただきました。
そちらも含めて感想を書かせて頂きます。

クラーゴンは、Vの勇者たちがもたらしたザラキによって一気に駆逐され、そこで人間たちは安全に海に出られるようになったのでしょうか。
ザラキはTの頃には失われたものの、Uの時代ではザラキを唱えられる者は船旅の際に重宝されたのかもしれません。
また、ルプガナ北の沈没船のことも絡めて考察なさっていることはいつもながらではありますが、お見事でございます。
サルガッソー海域のようなものがあっても不思議ではないですよね。Vでも幽霊船があるわけですし。
アレフガルドの民は手を汚さないということは、かつて内科医こそが医者で血に触れる外科医は医者のうちに入らないという、
ドラゴンクエストの世界観の一つでもある中世の社会階層にぴたりと一致すると思われます。
そのような社会は遠からず滅ぶはずでしたが、海への進出とロトの子孫の出現がルネッサンスを引き起こしたということでしょうか。

togege様の考察を読んでおりますと、子供の頃に小説ドラゴンクエストを読んでワクワクしたことを思い出されます。
データを重ねてそこから考察を紡ぎ出すことは非常に大変なこととお察ししますが、今後も楽しみにしております。
いつも楽しいひと時を過ごさせていただきありがとうございます。
106
2013/10/19 12:06
>106さん
コメントありがとうございます。
クラーゴンをザラキで駆逐したと言われるとニヤリとしてしまいます。
海世界の記事については加筆をしたので、ご覧いただければと思います。
togege
2013/10/19 20:36
こちらにもコメントさせて頂きます。

Iの勇者が外に出るという選択肢を選んだのはVの勇者がかつて追い出された可能性があるのを考えるとそもそもアレフガルド以外の出身でアレフガルドの秩序に馴染めなかったからなんでしょうかね。そしてエンディング後にアレフガルドに残っていれば程なくして潰れていたと。

逆にガチガチのアレフガルドの伝統で育てられたであろうローラ姫がIの勇者に付いてアレフガルドを出たのは単なる純愛故かそれともアレフガルドの秩序に捕らわれない思考の人物であったか、囚われの生活や勇者の影響でアレフガルドの負に気付いたからなんだろうか。

Iの時代はアレフガルドの思想に異を持つアレフガルド人も少しづつ生まれつつあった時期とは思いますが。

あらた
2013/10/21 19:12
>あらたさん
コメントありがとうございます。
そもそもロトの勇者って何者なの?って疑問はますます深まっています。外からきた異邦人という可能性も十分あり得ます。
その点については色々な考えがありますが、上手くまとまったら発表出来るかと思います。
togege
2013/10/25 10:26
勇者ロトの正体ですか。確かにベールに包まれてますよね。むしろ、オルテガが何者だったのかが解れば、謎は容易に解けるのではないでしょうか。オルテガって明らかに常人ではなかったですよね(笑)アリアハンにその人ありとまで言われ、多くの謎が。ギアガの大穴や魔の島侵入など、単身でどうやって?この人こそ異世界から来た救世主だったのではないでしょうか。



2014/09/10 01:00
>…さん
コメントありがとうございます。
オルテガについては、まだ発表出来るほど熟成しいませんが、考えはあります。いずれDQ2の時代の視点から見たDQ3というコンセプトの考察を考えています。まとまるまで、時間はかかりそうですが…
DQ3考察ではなく、DQ2考察の中のDQ3と言いますか…
うーん、ややこしい…
togege
2014/09/10 21:14

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