ドラクエⅡ考察~サマルトリア戦記⑤東サマルトリア平定

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 リリザに拠点を築いたサマルトリア平定の軍は東サマルトリア平原の魔物を駆逐し、その後ロトの勇者はこの地に新王国ローレシアを建国した…、となるのだが事はそう簡単ではない。というのが今回のテーマ。
 
【ムーンブルクの視点】
 サマルトリア平定軍の主体はムーンブルク軍である。まず誤解してはならないのは彼らはサマルトリア地方を征服し自国の版図を広げるのが目的であって、決してロトの勇者の新王国建国の為に戦っているわけではないということ。
 彼ら一人ひとりは基本的にムーンブルク人として自国の国益あるいは彼ら自身の野心の為に動いている。個人的にロトの勇者に心酔してる者も少なくはないが、それでも我が祖国の為か、アレフガルド出身のロトの勇者の為かで秤にかけるならまず前者だろう。当然の話だ。

 ムーンブルク王はロトの勇者の新王国建国自の夢への援助を確約したわけではないだろう。サマルトリア地方に行けばそのチャンスがあるという程度の事を言ってその気にさせて、サマルトリア地方征服に利用するつもりだったのだろう。
 ただロトの勇者らアレフガルド人はムーンブルク軍の指揮系統には組み込まれず、独立した同盟軍としてサマルトリア遠征に参加したと思われる。この辺は表向き、対等の同盟国としてラダトームを立てる形にしたのだろう。

 また、ロトの勇者がサマルトリア地方に自分の王国を作ろうと夢見るように、彼以外にも自分の国が欲しいと考える者がいてもおかしくは無い。自分の国とまで行かなくても自分の領地であったり、サマルトリア平定の戦で実績を上げて中央での出世につなげるとか、ムーンブルクの指揮官クラスにはそういう野心を持ってこの遠征に臨んでいるはずだ。

【サマルトリア先住民の意識の変化】
 ロトの勇者と和解したサマルトリアの森の民にも意識の変化が出てきた。ロトの勇者のカリスマ性に惹かれて付いていこうとする者。ムーンブルクやアレフガルドの文明に憧れる者。魔物の駆逐された平原に移住しようと考える者も出てきた。彼らが『ここは元々我らが住んでいた土地だ。』と言って平定後の領有権を主張する可能性も高まって来た。

 ムーンブルク、アレフガルド、サマルトリアの森の民の三者はこの地方の魔物を駆逐するまでは肩を並べて戦う仲間だが、その後は新たな領土を巡るライバル同士になる。
 
 領有権の根拠を主張出来る先住民たちや強大な軍事力で平定軍の主力の担い手だったムーンブルクと比べると、ロトの勇者らアレフガルド人はかなり旗色が悪い。だからこそムーンブルク王は(新王国建国なんか出来るワケないと)ロトの勇者を泳がせたのだろう。

【ロトの勇者のビジョン】
 ロトの勇者は最初からこの地に新しいアレフガルドを作る気は無かったに違いない。仮にこの地でアレフガルドの利権を主張したならばムーンブルクと先住民を敵に回し、真っ先に潰されただろう。それにアレフガルドのような国を作る気ならラダトームを乗っ取った方が早いしそのチャンスもあった。あえてそれに乗らず遠い未開の地まで旅したのはアレフガルドとは違う新しい秩序を打ち立てるためだ。
 ではその新しい秩序とは何か?
 それはムーンブルク、アレフガルド、サマルトリアの文化を融合した化学反応で生まれる全く新しい国だ。そして『ロトの血』をその統合の象徴にするつもりだったのではないか。

 具体的にはこの地の民族と文化をベースに自分を含むアレフガルド人やムーンブルク人を同化させることを考えていた。共に戦ったムーンブルク兵にその戦いぶりで認めさせた事も、森の民を武力で屈服させるのではなく対話で和解した事もそこから逆算して導き出した行動なのだろう。
 
 また『ロトの血』のカリスマ性を確立させる作業も同時進行していたはずだ。これは想像に過ぎないが、ロトの勇者はここでロトの呪文『ライデイン』を使ったと考える。ドラクエⅠでは使えなかった呪文だが、見た目のインパクトや威力は申し分ない。空を飛ぶ魔物を次々と雷で叩き落とすさまは自身の実力と『ロトの血』のこれ以上ないアピールになっただろう。

 ロトの勇者は自身の理想実現のためには手柄を立てなくてはならない。しかし手柄を立て過ぎて危険視されるのも避けたい。ムーンブルクやサマルトリアにも手柄を立てさせてバランスを取る必要があった。そのバランス調整はロトの勇者ひとりでは無理だからムーンブルクサイドとサマルトリアサイドそれぞれにロトの勇者と理想を共有する協力者がいたのは確実。それでもこの戦いのタクトを振るのはロトの勇者しかいない。そういう意味でもこのサマルトリア戦記の主役はロトの勇者なのだ。
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【そしてローレシア建国へ…】
 それぞれの思惑を抱えつつの危ないバランスを何とか取りながら、この地の魔物を駆逐した。そしてロトの勇者はここぞと決めた地にローラを呼び寄せて『新王国ローレシア』の独立を宣言した。

 しかしこの時点ではロトの勇者の戦いはまだ終わらない。ここからはローレシア王国独立の戦いが始まるのだ。
 

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この記事へのコメント

togege
2011年04月01日 19:34
ロトの勇者って、ひょっとしたらアレフガルドが嫌だったのかもしれないと考えるようになりました。
 同様にローラ姫を始めロトの勇者に付いて行った人たちもそうなのかもしれません。
 いずれにしろⅡの時代のアレフガルドの衰退の原因が人材流出なのは間違いないです。
とーりすがり
2013年02月05日 22:21
ちょっと気になったので一言
1のべギラマは閃光で、2以降のべギラマとは関係はなさそうです。
すると、このべギラマは3のライデインに当たるのではないでしょうか?
togege
2013年02月05日 22:45
>とーりすがりさん
確かに3でドラクエの呪文体系が整理される前のFC版1においてはギラ=火球(メラ?)、ベギラマ=雷(ライデイン?)とされています。
しかしリメイク版では3以降に整理された呪文体系に準じた炎のエフェクトが出ています。
どちらも間違いではなく、解釈の余地を残したという風に考えています。
ロトの勇者のライデイン(ベギラマ?)はFC版をプレイした時のイメージを残したくて入れた小ネタです。ここに気づいてもらえて嬉しいです。

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