ドラクエⅡ考察~竜王の城攻略の謎
【竜王の城の敵モンスター】
昔、ドラクエⅡを初めてプレイした時に感じた違和感がいくつかある。
①襲ってくる敵がⅠの頃と全く違う。
②ラストダンジョンではないので敵は前作より格段に弱い。
③地下7階では敵が出ない。
これらは前回の考察で書いたように“竜王の曾孫”は元々敵ではない。という前提に立てば説明はつく。竜王の城のB1~B6で襲ってくる魔物は竜王の配下ではなくハーゴンの配下である。そしてⅠの時代の竜王軍の精鋭はB7に存在していたとしても、敵ではないので王子たちには襲いかからない。
B7に竜王軍の精鋭がいるかいないかは大きな問題である。
【竜王の曾孫の状況】
B1~B6にはハーゴン軍の魔物がいる。グレムリンが指揮官で、攻撃面に優れた【番犬系】のサーベルウルフとバシリスク、ドラゴンフライ。【作られた魔物】としては完成度の高いゴーゴンヘッドとミイラおとこ。魔物の軍団としてはとても実戦的な構成といえる。
問題はハーゴン軍が竜王の城を制圧した前か後かということである。
【制圧前】ならB7に竜王軍の精鋭がいて、ハーゴン軍の侵攻を食い止めている状況ということになる。王子たちはハーゴン軍の包囲をかいくぐって“竜王の曾孫”に会いに行ったことになる。この場合、ハーゴン軍の構成は実戦的ではあるが本気度は低い。本気で攻め落とすならもっと強い魔物を送るはずである。竜王軍の精鋭にはロンダルキアクラスの猛者もいるのだから。
【制圧後】なら“竜王の曾孫”はB7に軟禁されている状態である。B7はほとんど無人ゆえ戦闘が発生しないのだ。“竜王の曾孫”を軟禁するだけなら、戦力はあの程度でも十分である。しかし何故“竜王の曾孫”を生かしているのかという謎が残る。軟禁されている状態でハーゴンへの悪口が言えるのは何故かという謎もある。王子たちはハーゴン軍の囲いを破って“竜王の曾孫”との会見を成功させているが、決して“竜王の曾孫”救出に成功したわけではない。ましてやハーゴン軍からこの城を解放したわけではない。状況は全く変わっていないのだ。
どちらなのだろうか?結論を出す前に、そもそも何故ハーゴン軍はこの城に攻め入ったのだろうか?
今までの考察で得た仮説を元にハーゴン軍が竜王の城を攻めるメリットはというと…
①竜王軍の無力化
②ドラゴン
③屋外運用可能な骸骨のノウハウ
④闇の世界の入り口
①は【制圧後】なら達成している状態といえる。グレムリン隊を監視に置くだけで十分である。【制圧前】ならグレムリン隊程度で抑えられる程度の勢力のようだ。ハーゴン軍はこの地をさほど重視してないのか、精鋭を回せないのか攻略の本気度は低いようだ。かつての“竜王”のように魔物の軍団を率いて敵対すれば脅威になっただろうが、ドラクエⅡの時点ではその心配は無いようだ。
②は【制圧後】ならこの城に残るドラゴンをロンダルキアに連れ帰って自軍の戦力にしたのだろう。竜を奪われた竜王では示しがつかないので、“竜王の曾孫”はこの時に『竜王の称号』も奪われたの“かもしれない”。【制圧前】ならロンダルキアのドラゴンとアレフガルドのドラゴンは無関係ということになる。元々アレフガルドのドラゴンは絶滅していて『竜の王』は名乗れなかったの“かもしれない”。
(※アレフガルドのドラゴンは敵ではないので襲ってこないか、元々いないかの二通りの解釈が出来る。)
③は骸骨騎士の屋外運用が出来ない現状を見ると竜王の城は【制圧前】なのかと思ってしまう。白昼堂々歩き回れる竜王軍の骸骨騎士の技術はハーゴン軍にとって喉から手が出るほど欲しいはずだ。竜王の城を制圧してすぐにスカルナイトが外を歩けるようになるとも思えないが…
もうひとつ考えられるのは骸骨騎士のノウハウは闇の世界の物なのではと。そうすると③は④の中に含まれる事項だろう。
④もまた闇の世界の力はハーゴン軍が欲しがるものなのは間違いない。【制圧後】だったとするとこの闇の世界の力を使わないわけは無いと考える。しかしその形跡は無い。そう、【制圧後】に得られるハズのものを得ていないように見える事から制圧前とするのが有力か?
結論はまだ早い。
ところで“竜王の曾孫”は王子たちに『ハーゴンを倒す』事を依頼している。もし【制圧後】でハーゴン軍の監視下ならこんな事は言えない筈だ。まあ王子たちがハーゴン軍をかき回した時なのでハーゴン軍の監視は緩んでいるかもしれない。しかし王子たちが去った後に何を言ったか白状させるのは簡単だ。『ハーゴンを倒してくれ』なんて制圧後に言えるワケがない。竜王の城は制圧前で決まりだ!
本当にそうか?
竜王一族は闇の世界の門番の家系である。その特殊かつ重要な役割ゆえに“竜王”の反乱後も生かされ続けてきた。“竜王の曾孫”はこの城の城主としての地位が絶対安泰ゆえに言いたい放題なのである。
もし、ハーゴンに対してもそうだとしたら?
自分は絶対に滅ぼされない確信があるなら、ハーゴン軍の監視下で『ハーゴンを倒してくれ』と言うことも可能である。
もし【制圧後】なら『ハーゴンを倒してくれ』だけで殺される心配は無くても、その言動は全てチェックされている。なので王子たちに教えた精霊の紋章の存在についての情報はハーゴン軍に聞かれても問題の無い情報なのだろう。ハーゴン軍はこの情報を既に知っている。何故なら5つあるうち3つはハーゴン軍が手に入れているからだ。
なので“竜王の曾孫”のこの台詞は王子たちをハーゴン軍の拠点である大灯台に誘い込む罠だとも解釈出来る。後で王子たちに『罠だったじゃないか!』と抗議される事があったとしても『嘘は言ってない。』とかわすことも出来る。王子たちにもハーゴン軍にもメリットがあり、自分にはリスクは無い。“竜王の曾孫”はしたたかである。
では何故ハーゴン軍は竜王の城を制圧したのに闇の世界の扉を開かせないのか?
開きたくても開けない。開くのに必要な何かが足りないのではないか。闇の世界の扉を開けるのは大きな危険が伴う。その封印を何重にもしておくのは当然の備えだろう。
ハーゴン軍に尋問された“竜王の曾孫”は『闇の世界の扉の封印を解くには精霊の守りが必要じゃ。5つの紋章を集めよ。』というような事を言ったのではないか。もちろん確証は無いが“竜王の曾孫”は嘘は言わない。
【結論・まとめ】
・ハーゴン軍は闇の世界の力を得る為に竜王の城に攻め入った。
・竜王の城を攻め落とし“竜王の曾孫を”幽閉した。
・ロンダルキアのドラゴンはアレフガルド産。
・“竜王の曾孫”を幽閉、監視するだけならグレムリン隊で十分。
・闇の世界の扉を開くには“竜王の曾孫”は生かす必要アリ。
・扉の封印を開く為には精霊の守りが必要。
・王子に情報を与えつつも保身は忘れない。
【残された謎】
ここでもう一つ謎が残る。
ハーゴン軍が竜王の城に攻め入った時、ラダトームは何をしていたのか?
目と鼻の先である竜王の城が制圧されて一番困るのはラダトームのハズである。
次回のタイトルはもう決めてある。
>『ラダトームと竜王、そして光の玉』
昔、ドラクエⅡを初めてプレイした時に感じた違和感がいくつかある。
①襲ってくる敵がⅠの頃と全く違う。
②ラストダンジョンではないので敵は前作より格段に弱い。
③地下7階では敵が出ない。
これらは前回の考察で書いたように“竜王の曾孫”は元々敵ではない。という前提に立てば説明はつく。竜王の城のB1~B6で襲ってくる魔物は竜王の配下ではなくハーゴンの配下である。そしてⅠの時代の竜王軍の精鋭はB7に存在していたとしても、敵ではないので王子たちには襲いかからない。
B7に竜王軍の精鋭がいるかいないかは大きな問題である。
【竜王の曾孫の状況】
B1~B6にはハーゴン軍の魔物がいる。グレムリンが指揮官で、攻撃面に優れた【番犬系】のサーベルウルフとバシリスク、ドラゴンフライ。【作られた魔物】としては完成度の高いゴーゴンヘッドとミイラおとこ。魔物の軍団としてはとても実戦的な構成といえる。
問題はハーゴン軍が竜王の城を制圧した前か後かということである。
【制圧前】ならB7に竜王軍の精鋭がいて、ハーゴン軍の侵攻を食い止めている状況ということになる。王子たちはハーゴン軍の包囲をかいくぐって“竜王の曾孫”に会いに行ったことになる。この場合、ハーゴン軍の構成は実戦的ではあるが本気度は低い。本気で攻め落とすならもっと強い魔物を送るはずである。竜王軍の精鋭にはロンダルキアクラスの猛者もいるのだから。
【制圧後】なら“竜王の曾孫”はB7に軟禁されている状態である。B7はほとんど無人ゆえ戦闘が発生しないのだ。“竜王の曾孫”を軟禁するだけなら、戦力はあの程度でも十分である。しかし何故“竜王の曾孫”を生かしているのかという謎が残る。軟禁されている状態でハーゴンへの悪口が言えるのは何故かという謎もある。王子たちはハーゴン軍の囲いを破って“竜王の曾孫”との会見を成功させているが、決して“竜王の曾孫”救出に成功したわけではない。ましてやハーゴン軍からこの城を解放したわけではない。状況は全く変わっていないのだ。
どちらなのだろうか?結論を出す前に、そもそも何故ハーゴン軍はこの城に攻め入ったのだろうか?
今までの考察で得た仮説を元にハーゴン軍が竜王の城を攻めるメリットはというと…
①竜王軍の無力化
②ドラゴン
③屋外運用可能な骸骨のノウハウ
④闇の世界の入り口
①は【制圧後】なら達成している状態といえる。グレムリン隊を監視に置くだけで十分である。【制圧前】ならグレムリン隊程度で抑えられる程度の勢力のようだ。ハーゴン軍はこの地をさほど重視してないのか、精鋭を回せないのか攻略の本気度は低いようだ。かつての“竜王”のように魔物の軍団を率いて敵対すれば脅威になっただろうが、ドラクエⅡの時点ではその心配は無いようだ。
②は【制圧後】ならこの城に残るドラゴンをロンダルキアに連れ帰って自軍の戦力にしたのだろう。竜を奪われた竜王では示しがつかないので、“竜王の曾孫”はこの時に『竜王の称号』も奪われたの“かもしれない”。【制圧前】ならロンダルキアのドラゴンとアレフガルドのドラゴンは無関係ということになる。元々アレフガルドのドラゴンは絶滅していて『竜の王』は名乗れなかったの“かもしれない”。
(※アレフガルドのドラゴンは敵ではないので襲ってこないか、元々いないかの二通りの解釈が出来る。)
③は骸骨騎士の屋外運用が出来ない現状を見ると竜王の城は【制圧前】なのかと思ってしまう。白昼堂々歩き回れる竜王軍の骸骨騎士の技術はハーゴン軍にとって喉から手が出るほど欲しいはずだ。竜王の城を制圧してすぐにスカルナイトが外を歩けるようになるとも思えないが…
もうひとつ考えられるのは骸骨騎士のノウハウは闇の世界の物なのではと。そうすると③は④の中に含まれる事項だろう。
④もまた闇の世界の力はハーゴン軍が欲しがるものなのは間違いない。【制圧後】だったとするとこの闇の世界の力を使わないわけは無いと考える。しかしその形跡は無い。そう、【制圧後】に得られるハズのものを得ていないように見える事から制圧前とするのが有力か?
結論はまだ早い。
ところで“竜王の曾孫”は王子たちに『ハーゴンを倒す』事を依頼している。もし【制圧後】でハーゴン軍の監視下ならこんな事は言えない筈だ。まあ王子たちがハーゴン軍をかき回した時なのでハーゴン軍の監視は緩んでいるかもしれない。しかし王子たちが去った後に何を言ったか白状させるのは簡単だ。『ハーゴンを倒してくれ』なんて制圧後に言えるワケがない。竜王の城は制圧前で決まりだ!
本当にそうか?
竜王一族は闇の世界の門番の家系である。その特殊かつ重要な役割ゆえに“竜王”の反乱後も生かされ続けてきた。“竜王の曾孫”はこの城の城主としての地位が絶対安泰ゆえに言いたい放題なのである。
もし、ハーゴンに対してもそうだとしたら?
自分は絶対に滅ぼされない確信があるなら、ハーゴン軍の監視下で『ハーゴンを倒してくれ』と言うことも可能である。
もし【制圧後】なら『ハーゴンを倒してくれ』だけで殺される心配は無くても、その言動は全てチェックされている。なので王子たちに教えた精霊の紋章の存在についての情報はハーゴン軍に聞かれても問題の無い情報なのだろう。ハーゴン軍はこの情報を既に知っている。何故なら5つあるうち3つはハーゴン軍が手に入れているからだ。
なので“竜王の曾孫”のこの台詞は王子たちをハーゴン軍の拠点である大灯台に誘い込む罠だとも解釈出来る。後で王子たちに『罠だったじゃないか!』と抗議される事があったとしても『嘘は言ってない。』とかわすことも出来る。王子たちにもハーゴン軍にもメリットがあり、自分にはリスクは無い。“竜王の曾孫”はしたたかである。
では何故ハーゴン軍は竜王の城を制圧したのに闇の世界の扉を開かせないのか?
開きたくても開けない。開くのに必要な何かが足りないのではないか。闇の世界の扉を開けるのは大きな危険が伴う。その封印を何重にもしておくのは当然の備えだろう。
ハーゴン軍に尋問された“竜王の曾孫”は『闇の世界の扉の封印を解くには精霊の守りが必要じゃ。5つの紋章を集めよ。』というような事を言ったのではないか。もちろん確証は無いが“竜王の曾孫”は嘘は言わない。
【結論・まとめ】
・ハーゴン軍は闇の世界の力を得る為に竜王の城に攻め入った。
・竜王の城を攻め落とし“竜王の曾孫を”幽閉した。
・ロンダルキアのドラゴンはアレフガルド産。
・“竜王の曾孫”を幽閉、監視するだけならグレムリン隊で十分。
・闇の世界の扉を開くには“竜王の曾孫”は生かす必要アリ。
・扉の封印を開く為には精霊の守りが必要。
・王子に情報を与えつつも保身は忘れない。
【残された謎】
ここでもう一つ謎が残る。
ハーゴン軍が竜王の城に攻め入った時、ラダトームは何をしていたのか?
目と鼻の先である竜王の城が制圧されて一番困るのはラダトームのハズである。
次回のタイトルはもう決めてある。
>『ラダトームと竜王、そして光の玉』
この記事へのコメント
ハーゴンの教団も王子たちも“竜王の曾孫”の話術に踊らされている。ただそれだけの話です。
竜王の子孫たちは外交能力を駆使して生き残っていったのではないでしょうか?
今回、ハーゴン軍の侵略により制圧されたという結論を出されていますが、
「最近ハーゴンとかいうものが偉そうな顔をしていると聞く」
というセリフからはそもそも「侵略された」感が薄いように感じます。
どちらかというと、自分に関係のない時流を語っているような…
むしろこんな説はいかがでしょうか。
1のラダトーム内乱後、一族は残った配下と共に隠居を決めた。
普通に城で隠居するのだが、広大な竜王城を管理するには手駒を失いすぎた。
残った一族と配下が暮らすのなら、B7で十分。
しかしB6から上層を放置していたら、土着モンスターが侵入したり、偵察のグレムリン隊がやってきたりした。
ーこのグレムリンどもはハーゴンとやらの手下か。偉そうな顔をしおって気に食わん。
ーとはいえ生活は問題なくできるし、城全体の敵を排除するのも骨が折れる。
ー不愉快だがどうせ使ってない上層階だ、くれてやる。
ーただしB7に侵入してきたり、外出の際に絡んできたりする輩は排除する。
ーワシからハーゴンとやらを倒しに行く気はないが、降りかかる火の粉は払うつもりだ。
ーおいグレムリンども、ハーゴンとやらにもそう伝えておけ。
このように、自主的に引きこもっているだけで幽閉すらされていない、という考えはできませんでしょうか。
上層階ではなく最深部に住んでいるのは、もちろん闇の世界の関係。
ラダトームあたりで竜王(の曾孫)の目撃情報でもあれば裏付けになりますが、たぶんなかったですよね…