ドラクエⅡ考察~仮説・シドー教団の歴史

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 今までの考察で見えてきたハーゴンの教団の実態をここで一度まとめてみたいと思う。

『ザハンと月の欠片の謎』
http://togege.at.webry.info/201102/article_11.html

 ザハンの人々は何故こんな最果ての地に住んでいるのか?この町の神殿の正体は?という疑問に対し、月の欠片についてのヒントが多い事から、『迫害されたシドー教(仮)の教徒が移り住んだ場所では?』という説を出した。さらに『ザハンの隠れシドー教徒のルーツはテパ地方』という説も出てきた。
 
『ロンダルキアの秩序』
http://togege.at.webry.info/201104/article_10.html


 教団は神官と悪魔族の二本柱で成り立つ組織で、ハーゴンは両者の上に立つ存在である。またロンダルキアはⅡの時代では教団の聖地だが、元々は巨人族の住む土地だった。

『ハーゴン軍の拠点』
http://togege.at.webry.info/201105/article_3.html

 ドラクエⅡに登場するダンジョンは教団の拠点であり、その重要性や目的を考察した。湖の洞窟やドラゴンの角は人間に放逐されたのを教団の隠れ家に利用。竜王の城と大灯台はハーゴン軍が敵から奪い取った軍事拠点。満月の塔と海底洞窟は教団にとって重要な聖域であり、研究施設でもある。ムーンブルクはなぜ拠点として利用せずに廃墟にしてしまったのか?

 そして今回はこれらの説から“教団の歴史”について仮説を立ててみたい。
 
【シドー教(仮)の始まりの地】
 ロンダルキア近辺の地方の人間の土着信仰がその始まりだと考えている。
 悪魔族の宗教ではなく人間の宗教だと考えるその理由は、異教徒の人間に迫害されて逃げてきたザハンの民が人間だから。
 ロンダルキア近辺と言ってもその範囲は広く、気候条件などもそれぞれ異なる。例えばロンダルキアの山頂は厳しい寒さの中、巨人族に怯えて身を潜めて暮らさなくてはならない、というか人間は生きられないかも。バーサーカーの祖先かもしれないロンダルキア山中腹の山岳(洞窟?)民族。深い森と川に囲まれたテパ地方、住みやすい地形や気候のムーンブルク。 
 異なる条件下のそれぞれの土地で土着信仰が生まれる。そしてそれらは人々の交流によって融合されてゆく。
 さらにそれを理論化・体系化した宗教家がいるのだろう。それがシドー教(仮)の原型なのだろう。


 この考察で“シドー教(仮)”としているのは、彼らの信仰の形はハーゴンの時代のものとは大きく違うからである。破壊の神シドーを呼び出して世界を破滅させるなどという発想はあまりにも過激過ぎて普通の人にはついて行けない。シドー教(仮)の中でも解釈の違い等から複数の宗派が生まれ、中でも過激なのが後に台頭する“ハーゴン派”なのだろう。

【シドー教の発展】
 古き時代にシドー教(仮)が発展した時期があった。その中心地はテパである。この地にはシドーを祀るモニュメントである“満月の塔”を建てた。おそらく月を神聖視する宗教なのだろう。
 シドー教(仮)は北東の平野部にも広がった。“ムーン”ブルク、“ムーン”ペタである。地名に“ムーン(月)”を冠していることから元はシドー教(仮)の都市だったと思われる。

『ルプガナの忘れられた伝説』
 http://togege.at.webry.info/201102/article_13.html

 以前の記事で取り上げたムーンブルク~ルプガナ地方にまで版図を広げた古代帝国。その国教がシドー教(仮)だったのかもしれない。そう考えるとシドー教(仮)の勢力はとてつもなく大きい。

【新しい宗教の台頭】
 ここで言う新しい宗教とは毒の治療や蘇生を行う“神の教会”である。おそらく“上の世界”の文明と共に伝わったものだろう。アレフガルドやムーンブルクの都市部を中心に急速に広まり、定着した。シドー教(仮)は厳しい山岳部で生まれた宗教なので都市部の人間にとってはストイック過ぎたのかもしれない。対して“神の教会”の教えは“上の世界”の文明の恩恵を受けた都市部の人間に合った宗教なのだろう。後のロトの時代に“上の世界”との交流が切れた後も発展を続けた。

【迫害の時代】
 “神の教会”の信徒から見て、土着信仰の名残を残すシドー教(仮)は野蛮で遅れた宗教なのだろう。特に生贄の風習は残っていたと思われる。実際大神官ハーゴンがシドーを召喚する際、自らを生贄に捧げている。
 次第にシドー教(仮)はムーンブルクからテパへと追いやられて行く。やがてそのテパにもいられなくなる。

【雌伏の時代】
 迫害から逃れたシドー教(仮)の信徒はどこにいったのだろう?
 海の果て、ザハンとロンダルキアの山中だろう。

 “神の教会”の追及の手は執拗だった。その恐怖からザハンの民はシドー教(仮)である事を隠すようになる。“神の教会”の追及から逃れた最果ての地では名も無き神の神殿と月の欠片の伝承、聖なる織機にその名残を残すのみとなった。
 しかしそれでも信仰は捨てられないのだろう。ザハンはの民は北の孤島の洞窟に密かにシドーを祀るようになる。“月の欠片”が潮の満ち引きを操り、洞窟の入り口を開閉させる事を発見した時は奇跡を見た思いだっただろう。

【大神官ハーゴン登場】
画像 ロンダルキアに逃れたシドー教(仮)の信徒の運命は更に過酷なものだった。そこは厳しい気候に加え、強力な魔物特に巨人族が棲みつく魔境でとても人が住めたものではない。
 おそらく彼らはこの過酷過ぎる地で生き延びるためにその魔法力を磨いたのだろう。しかしそれでも限界を感じ、絶望した。その時彼らは自分たちをこのような境遇に追いやった“神の教会”を呪った。ムーンブルクの民の裏切りを呪った。そして悪魔に魂を売り渡した。悪魔の力を得ることで魔境ロンダルキアの支配者となった。

 ここで神官でもあり悪魔族でもある存在のハーゴンの正体について2通りの説がある。
①神官たちと契約を交わした悪魔族の長。
②悪魔族と契約を交わして悪魔族の身体を手に入れた神官の長。
 魔王ではなく大神官と名乗り、その行動は神官のそれである事から有力なのは②の説だろう。

【ハーゴンの教団の時代】
 ロンダルキアに逃れたシドー教(仮)の信徒は悪魔に魂を売り渡すまでに追い詰められた。そこで育った思想、教義はかつて栄華を誇ったシドー教(仮)のそれとは大きくかけ離れた過激で非寛容なものに変質していた。
 もはやこの時点ではシドー教(仮)ではなくシドー教あるいは邪教と呼んでもよいだろう。

 ハーゴンの教団はかつて同胞であるザハンの民が見出した聖地・海底洞窟も教団の中に取り込んだ。教義の内容はザハンの民のそれではなく、過激かつ非寛容なハーゴンのものに強制的に変えられたのだろうが…
 ザハン自体はシドー教(仮)であることを隠していたためかⅡの時代の時点ではハーゴンの教団に目を付けられずに済んでいるようだ。かつては“神の教会”の追及を逃れるために“隠れた”ことでハーゴンの教団に取り込まれずに済んだのは皮肉な話である。

 かつての聖地満月の塔も取り戻したハーゴンの教団の次の標的は“神の教会”に寝返った裏切り者のムーンブルクの民であろう。

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この記事へのコメント

togege
2011年05月09日 08:51
 Ⅲ以降のラスボスと違いハーゴンは“魔王”ではないのです。
 魔王だったら何でもありで、突っ込まれても『魔王の魔力で…』ッて言えますがハーゴンはそうではないので“限界”があります。
 色々と限界を超える努力もしてきたと考えるとハーゴンが人間臭くて魅力的なキャラクターに思えます。

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