ドラクエⅡ考察~ムーンブルク落城とハーゴン軍の沈黙(後編)

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【前回のまとめ】
 ハーゴン軍はムーンブルクを滅ぼした後、精鋭部隊は撤退している。
 何故ならムーンブルク城にはハーゴン軍の主力である神官や悪魔族がいないことと、ムーンブルクを落とした後に他の地域に攻め込んだ様子が無いから。

 ではどうして撤退したのか?いくつかのシナリオが考えられる。
①ムーンブルク侵攻時の被害が大きく、撤退を余儀なくされた。
②魔物の軍団の運用上の問題(兵糧不足など)があり、一時撤退をした。
③最初から目的はムーンブルクのみで世界征服をするつもりは無い。

 どのシナリオが有効かはまだ分からない。この謎を解く鍵はムーンブルク城を覆っている毒の沼地にあると考える。

【ムーンブルク落城の様子】
 ムーンブルクの毒の沼地は自然発生したものでなく人為的(?)に発生させたものと思われる。毒ガスのようなバイオ兵器をイメージすれば良いだろう。ここで当然“なぜ”“何のために”発生させたのか?という疑問が出てくる。そしてそれはハーゴンの目的や戦略にも関わる問題なのだ。

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 http://www.youtube.com/watch?v=_NsG5btZzC8&feature=related 
 リメイク版OPでは悪魔族が空から攻め込み、城の防衛力を無効化し、同時に囚われの身だった神官が内部から中枢部叩く電撃的な作戦により瞬く間に趨勢は決した。ムーンブルク王を打ち取ってしまえば後は掃討戦。城に火をかけ、毒攻撃でムーンブルク人に止めを刺したのだろう。

【シナリオ1 ムーンブルク破壊】
 ムーンブルクに強い恨みや憎しみを持つハーゴンがムーンブルク人を虐殺するだけでは足りず、二度と人が住めないように毒を撒いたというのは真っ先に考えつくことである。異教徒の住む土地を徹底的に破壊し尽くすのは現実世界でも例のないことではない。
 この場合、ハーゴンはムーンブルク攻略の戦略目標を達成したといえる。最初から標的はムーンブルクだけだったということだ。これは撤退理由③に当たる。
 ハーゴンの目的がムーンブルク潰しだったと仮定するなら、サマルトリア・ローレシアに攻め込む気配が無い事もムーンブルク地方のもう一つの拠点である風の塔の戦力がさほどでない事も説明がつく。
 しかしハーゴンの仇敵と言える教会勢力は世界中に存在する。ハーゴンがその状態を放置するとは考えにくい。まさか異教徒との共存を目指しているわけでもあるまい。(寛容なハーゴンというのも見物ではあるが…)
 よってハーゴン軍はムーンブルクを滅ばした時点でそれ以上の侵攻が不可能な状態になり、撤退を余儀なくされたと考えるのが妥当だろう。

【シナリオ2 本当は戦力不足】
 前述のハーゴン軍によるムーンブルク攻城戦は見事である。いや、見事過ぎる。だからこそ怪しいと考えるべき。
 まず、これ以上ないくらいの短期決戦を狙った作戦。まず奇襲により対象首を取る戦の仕方、例えるなら桶狭間の合戦だろうか。こういう戦術は大抵戦力が劣る側が取るものだ。そして戦力で劣る側は戦争が長引く程不利になるので短期決戦で一気に決着をつけたいものだ。
 毒攻撃はシナリオ1同様に憎きムーンブルク人を徹底的に滅ぼすためだと考えられるが、他にも考えられる理由はある。
 例えば魔物の軍団の直接戦力で劣るためか、損害を最小限にして温存するためだととも考えられる。ハーゴン軍には物量で押し切れる程の戦力は無いのかもしれない。
 これまでの考察で魔物の運用上の扱いにくさや戦力の量を補うために、魔物を改造したり造ったりしていると書いた。これもハーゴン軍の戦力不足の裏付けだと考えられる。

 ハーゴン軍本当は戦力不足説の根拠をまとめると…
・ムーンブルク城を奇襲による短期決戦で攻略。
・作った魔物で戦力を補っている。
・毒攻撃も戦力不足を補う戦法という見方も可能。
・ムーンブルク落城後に撤退。

 戦力不足で撤退したというのは撤退理由②に当たる。

 この毒攻撃、思った以上に効果があり過ぎてムーンブルク城を拠点として使えなくなったという考え方も出来る。ムーンブルクは本来は大灯台のように落城させた後、世界征服の拠点として利用するつもりだった。しかし毒が広がり過ぎて放棄せざるをえなかった。またこの毒攻撃で自滅して戦力的にも被害を被った、という説もあり。
 
【シナリオ3 バイオハザード説】
 毒攻撃はハーゴン軍が用いたとは限らない。人間にだって使える。それが第3の説。
 ハーゴン軍は奇襲作戦によりいち早く勝利を得た。しかし残された人間の抵抗は激しかった。王が討ち死にし城の守りも完全に崩されたムーンブルク人は自らの滅びを悟り、せめて1匹でも多くの魔物を道連れにしようと奮闘した。特に毒による攻撃でハーゴン軍は大きな被害を受けた。撤退理由①である。
 古くからロンダルキアを仮想敵国として警戒してきたムーンブルクが決戦の時に備えた準備をしてないはずはない。特に身体能力でも頭脳でも人間をはるかに上回る悪魔族に対抗する武器は必要だろう。
 もしかしたら、ムーンブルクは悪魔族に対抗するための『バイオ兵器』を開発してたのではないか。そう考えると、ハーゴン軍がムーンブルクを奇襲により一気に叩いたというのも納得出来る。完成し使われる前にムーンブルクを滅ぼさねばということである。
 この『バイオ兵器』はハーゴン軍の侵攻の際、追い詰められたムーンブルクが攻め込んで来たハーゴン軍を道連れにするために城内でぶっ放したのだろうか?
 それとも暴発してムーンブルク・ハーゴン両軍に被害を与えたのだろうか?(ひょっとしたら焼き討ちは『バイオ兵器』を焼いて潰すためだったのかもしれない。)
 
【まとめのシナリオ】
 互いを敵視するロンダルキア、ムーンブルクは軍備の増強と共に切り札の研究をしていた。
 ロンダルキアは世界征服をするには絶対的に戦力が不足していた。戦力不足もそうだが、主な構成員である神官や悪魔族の犠牲は最小限にしたい。そこで下等な魔物を使い戦力を補った。しかし魔物はその生態的に無理な運用は出来ず、扱いづらい面もある。そこでそれを克服するために元の魔物を改造したり、新たに作り出す研究を進めていた。
 一方、ムーンブルクの人間はロンダルキアの強靭かつ多様な魔物の軍団が戦力を増強するのを警戒していた。(大灯台はロンダルキアを監視するために作られた。)戦力の増強もそうだが、対ハーゴン軍の切り札になる『バイオ兵器』を密かに開発していた。

 ムーンブルクの『バイオ兵器』開発の情報を掴んだハーゴンはその威力に脅威を感じ、『バイオ兵器』完成の前にムーンブルクを攻めることを決心した。しかしまともに攻め込んでもムーンブルク城を落とすのは容易ではない。たとえ勝てたとしても大きな被害を受けるだろう。そうなれば世界征服の計画に大きな遅れを生じてしまう。そして戦いが長引く程ハーゴン軍は不利になってしまう。
 確実にムーンブルクを滅ぼし、貴重な戦力を温存し、『バイオ兵器』の脅威を未然に防ぐためには奇襲による短期決戦しかない。こうしてハーゴン軍によるムーンブルク奇襲作戦が始まった。

 奇襲作戦は見事に成功した。国王の首を取り、ムーンブルク城は制圧したも同然。あとはムーンブルク人を狩るだけだ。しかし『バイオ兵器』の暴発は止められなかった。もしかしたら追い詰められたムーンブルク人が城内で使用したのかもしれない。『バイオ兵器』の威力は凄まじく、ハーゴン軍も甚大な被害を受けて撤退を余儀なくされた。

 『バイオ兵器』により汚染されたムーンブルク城はとてもいられる場所ではなく、放棄せざるをえない。戦力的にも戦略的にも予測を大きく上回る痛手を受けてしまった。
 

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この記事へのコメント

togege
2011年05月26日 10:36
実は最初はハーゴンには世界征服の野心は無く、ムーンブルクが悪玉で…、ってシナリオを考えていました。しかし迫害されてロンダルキアに追い詰められて悪魔に魂を売ったというハーゴン像が見えた時にシナリオを書き直しました。

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