ドラクエⅡ考察~サマルトリア王子の静かなる戦い(前編)

【そんな装備で大丈夫か?】画像 …、と心配になるサマルトリアの王子(以下サマル王子)の初期装備。何故だろう?
 ずっと前の記事『ローレシアの王子は何故わざわざ城下町の宿屋に泊るのか?』
  http://togege.at.webry.info/201102/article_2.html
 にてローレシアは宝物庫の中身のグレードから、銅の剣が精一杯の餞別になるほどの貧乏王国だと述べた。店の品揃えや宿屋の値段等からサマルトリアも近いレベルの貧乏王国だと推測されるが、いくらなんでもハーゴン討伐の旅に出る王子様の装備が『こんぼう』というのは酷いだろう。サマルトリアがローレシア以上に貧乏だったとしてもそんなみすぼらしい装備ではサマルトリアの貧乏ぶりを世間に広めるようなものである。
 もしかしたら森の民の王国であるサマルトリアに代々伝わる由緒正しき『こんぼう』なのかもしれない。それでも市場価値はたったの60Gだが…
 結論はひとまず置いておこう。

【サマルトリア“王子”の謎】
 SFC版のエンディングでローレシアの王子は王位を継ぐが、サマル王子はその後、王になったかどうかは分からない。いや、『(サマル)王子、(ムーン)王女、そして(ローレ)王の名は永遠に人々のあいだで語りつかれてゆくでしょう』となっていることから、サマルトリアの王位を継がなかった可能性もあるということだ。 

 ここで仮説を立てる。
 『サマル王子は王太子(王位継承の第1位)ではない。』
 王子だからと言って次の王の座が約束されてるわけではない。他の王位継承候補は妹姫だろうか?それとも他にゲーム中に登場しない王子が存在するのだろうか?
 それに『のんき者』『ボーっとしたところ』があると評されることから国民の評価も高くはなかっただろう。次代の王になるにはイマイチ頼り無いと見られていたのは間違いない。
 いずれにせよ、サマル王子はハーゴン討伐の武勲を立てて次の王座を確定しようと考えたのはありえる話である。
 とりあえずサマル王子が王太子ではない可能性は結構高い。
 サマル王子が頼りなく見られる要素はまだある。それは彼が魔法戦士、それも魔法使い寄りであることである。屈強な森の蛮族を祖とするサマルトリア人から見て軟弱で自分の上に立って欲しくない存在だったのではないか。考えれば考えるほどサマル王子の国民人気は低そうだ。

 もうひとつ仮説を立てる。
 『サマル王子は実は追放同然の身なのではないか。』
 サマルトリア王宮にはサマル王子以外にも王位継承者候補者がいて、その候補者を立てる“反王子派”に追い立てられるように旅に出たということだ。
 銅の剣と50Gを渡され見送られたローレシアの“王太子”とは違い、サマル王子は丸腰同然で出奔した。手持ちのポケットマネーで買い揃えたのが『こんぼう』と『かわのよろい』なのではないか。
 ろくな準備もせずに旅に出たサマル王子はのんき者どころか慌てん坊である。いや、のんき者のサマル王子でさえ慌ただしく旅立つ状況に追い込まれたと見るべきだろう。そのきっかけとは言うまでも無くハーゴン軍の奇襲によるムーンブルク落城である。

 ここでピースがつながった。
 魔法戦士であるサマル王子の後ろ盾はムーンブルクだったのではないか。それを失ったために身の危険を感じたサマル王子は慌てて出奔せざるをえなかったのではないか。
 一応表向きにはハーゴン討伐の旅に出るということにしておくために置手紙くらいは残したかもしれない。
 サマル王子の身辺がこれほどまでに緊迫していたのだとすると、サマル王子は“のんき者”を演じていた可能性が高い。“敵”を油断させるためである。
 
 サマル王子の後ろ盾はムーンブルクである。魔法の師であるだけでなく、ロトの血を分けた親戚同士でもある。同様にロトの血を分けたローレシアやロト伝説ゆかりの地ラダトームもサマル王子のバックについている。サマル王子の勢力の拠り所は国外に偏っている。逆に言えば国内での権力基盤はかなり脆弱なのかもしれない。
 では反王子派とは何者なのか?それは以前の記事『サマルトリア戦記編』で登場したサマルトリアの森に住む先住民族の末裔だろう。彼らはこの地方に侵略してきたムーンブルク人を恨みに思っている。それに元々は外から来たロト一族(アレフガルド人)もよく思っていない可能性がある。

 反王子派の狙いはよそ者の影響を排除して土着民による王国を作ることにある。ロトやムーンブルクの血を引かない王族か全く新しい王朝を打ち立てるつもりなのだろう。彼らはこの権力闘争を土着民による外国からの独立戦争だと考えている。よそ者の血が混じっている上に大国ムーンブルクの威を借りているサマル王子は彼らにとってはそぞや憎たらしい存在だろう。いや、憎き外国勢力からの独立の象徴として血祭りに上げなくてはならない存在である。だからサマル王子は大慌てでサマルトリアを出奔したのだ。

 サマル王子は仲間と共にハーゴンとの戦いを続けていたが、同時に孤独で静かなる戦いも繰り広げていたのだ。
   続く…

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