ドラクエⅡ考察~サマルトリア王子の静かなる戦い(中編)

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前回のまとめ】
 サマル王子は元々国内に敵が多い。
 その反王子派とは主に古くからサマルトリアの森に住む純粋な土着民である。
 よそ者であるロトの血が混じっている王子がいずれ自分たちの上に立つのが気に入らないと思う者は当然いるだろう。
 魔法戦士と言っても魔法使い寄りなサマル王子を軟弱とみなす者はもっと多いだろう。
 サマル王子のバックにはロトの血を分けた親戚であるムーンブルク、ローレシアがついている。外国勢力の威を借りている感もある。
 反王子派の狙いはサマル王子を排除して新たな王には非ロト系の王族かまったく新しい純粋なサマルトリア人の王を擁立し、外国勢力の影響を排除した純粋なサマルトリア人による国を作ることにある。

 補足として、サマルトリア王国で確実にロトの血を引いているのはサマル王子だけである。例えばサマル王子の母がロト一族だったなら父王は非ロト系である。妹姫はサマル王子とは腹違いである可能性もある。
 サマル王子=100%ロト
 父王&妹姫=ロトかもしれないし違うかもしれない。


 ムーンブルク落城の報を機会にサマル王子はサマルトリア城を出奔した。最も強力な後ろ盾であるムーンブルクの滅亡により、反王子派が決起する怖れがあったからだ。その時真っ先に血祭りに上げられるのはサマル王子なのは確実である。ほぼ丸腰で飛び出すほどの慌ただしい旅立ちだったので『装備:こんぼう&かわのよろい』なのだ。

【反王子派の実態】
 結論から言えば、この計画(と呼べる程のものでもないが…)、うまくいく見込みはまず無いだろう。

 民族的な気質からサマルトリア内の反王子派が外敵を排除するために一致団結するのは難しいだろう。
 元々この地は森の小部族が乱立していたと考えられる。(当ブログ『サマルトリア戦記編』より)
 もしも団結が出来たならロトの勇者登場の前に団結してムーンブルク軍を撃退出来ただろう。
 この地に古くから棲みつく魔物を駆逐して大王国を作る事も出来た筈である。そんな国が存在していたならばロトの勇者が行ったところで新王国を建国する余地などなかっただろう。
 サマルトリア人は団結するのが苦手でリーダーシップを発揮する英雄も不在という民族的な弱点がある。
 それゆえにロトの勇者はロトの血統カリスマで彼らをまとめ上げようとしたし、ムーンブルクはリリザからサマルトリアを監視しようとしたのだ。

 もしも反王子派がクーデターを起こしたならば、ムーンブルクやローレシア、リリザにアレフガルドを敵に回してしまうのは確実だ。位置関係的にも敵にも三方を囲まれ、勝ち目はまずないだろう。外国勢力がバックについている以上サマル王子に手出しすることは出来ないのだ。

 反王子派のクーデター計画(?)はサマルトリア国内で“うだつ”の上がらない者たちが酒を飲みながら管を巻いているようなレベルかもしれない。
 しかし古くから続く先住民族と後から来た外国人の間にくすぶり続けた火種がその根底にあることも否めない。
 反王子派の勢力は大きいかもしれないし小さいかもしれない。

【サマル王子の英断】
 反王子派はその不満や恨みの炎をくすぶらせたまま何も出来ない状況が続いたが、ある日突然状況が変わった。
 ハーゴン軍の奇襲によるムーンブルク落城の報である。
 これによってサマル王子は最も強い後ろ盾を無くしたということである。
 身の危険を感じたサマル王子はいち早くその身ひとつでサマルトリアを出奔した。しかも表向きはロトの血の宿命に従いハーゴン討伐の旅に出たということにして。のんき者なんてとんでもない、実はかなりの切れ者である。

 もし反王子派に切れる者がいたとしたら、ムーンブルクが滅亡したところでクーデター成功の見込みは無いと気付くだろう。ローレシア&リリザを敵に回した状態でハーゴン軍の侵攻に備えなければいけないからだ。ハーゴン軍への危機感を強く感じるローレシア&リリザは戦略的に重要な拠点であるサマルトリアを本気で取りに来るのは間違いない。サマルトリア情勢を不安定なままにしてはおけないからだ。

 反王子派が愚かならムーンブルクの突然の滅亡に浮足立ち、冷静な判断は出来ないだろう。そんな状況でどさくさまぎれに暗殺される可能性が高かったから、サマル王子は逃げたのだろう。非常時には感情で過激な行動に出る人間が一番怖いのだ。

 もちろんサマルトリアが取るべき最善の手はローレシアと協力してハーゴンに備える事である。
 しかしムーンブルク落城時点で浮足立ったサマルトリアには冷静な判断力を保てる者は少なかった。きっとパニック寸前で何をしたらいいか分からなかったのだろう。
 そんな中、サマル王子はハーゴン討伐の旅に出ると置手紙を残して姿を消してしまった。どさくさ紛れにサマル王子の命を狙っていた反王子派はますます何をしたらいいか分からなくなってしまった。
 
 そしてほどなくして、ローレシアの王子が訪れた。
 この時点でサマルトリアの方針は決定した。
 ローレシアと力を合わせハーゴンと戦うと。

【サマル王子がいち早く旅に出た目的】 ①どさくさ紛れに自分の命を狙う反王子派から逃げる。
 ②実際は国から逃げたのに、ハーゴン討伐の大義名分を示し名誉を守る。
 ③自分の行動を見せることでサマルトリア王国の対応の方針を決定付ける。
 サマル王子はたったひとつの行動で複数の目的を果たした。しかも迅速にして大胆な行動力と頭脳。はっきり言って天才である。特に③は重要なのでもう少し詳しく見てみる。

【王子が示したサマルトリアの進むべき道】
 まず第一にハーゴンとは徹底抗戦すべきである事。ハーゴン軍が北上してきたらサマルトリアが最初に戦うことになるからである。その準備は急ぐべきである
 第二の方針はローレシアと協力すべきであること。サマル王子自身がローレシアの王子と合流することでそれを示したのだ。
 サマル王子とローレシアの王子はすれ違ってはいるが、それぞれ相手国への使者として訪問している。ローレシアの王子は両国が協力して行うべき対ハーゴン戦略をサマルトリアに進言した。ムーンブルクの滅亡と王子の突然の旅立ちに浮足立つサマルトリア王国はローレシアからの提案と丸呑みした。
 ほぼ同時にローレシアを訪れたサマル王子は(独断だが確信を持って)ローレシアからの強力の提案を受けたという意思表示をした。自分がいない間のサマルトリアを守る為の政治工作もしていった筈である。
 サマル王子とローレシアの王子はまるで示し合わせたように同じような行動を取っているがそんな事はないだろう。きっと英雄の血を引く天才同士、最善の行動を取っただけである。

 サマル王子はしておくべき準備を済ませた上で、冒険の旅に出た。
  続く…

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