FE考察~アカネイア視点のドルーア戦争(前編)

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【ドルーア戦争とは?】
 マルスの時代よりも100年前、アンリの時代に勃発した人間対竜族の大戦。
 当時繁栄していた聖王国アカネイアは一度は滅亡に追い込まれたが、竜族の一部族・神竜族の助力を受けた英雄アンリの登場により、人間族の勝利に終わった。アカネイアは王族の唯一の生き残り、アルテミスを中心に復興。竜族に勝利した人間はますます栄え、ドルーア戦争の英雄たちはアカネイアの援助の下新王国を建国した。…、こんなとこだろうか。

 新・暗黒竜公式サイトの『世界観と物語~プロローグ』を見ていただくと早いだろう。

 しかし公式見解はやはり後世のマルス王朝の視点から語られており、マルスの祖先アンリの非の打ちどころの無い英雄物語になっている。それにメディウス側の一方的な侵略で始まったとされている。
 本当にそうか?
 当ブログではアカネイアとドルーアそれぞれの視点から見たドルーア戦争を考察していきたい。

【ドルーア戦争以前のアカネイア】
 当時の聖王国アカネイアは大陸唯一の大国として君臨。500年の歳月をかけて聖王を頂点とした身分ピラミッドは磐石になっていたはず。
 王国の発展と共に国の人口も増えただろう。人口が増えるとどうなるか?以前は共存、あるいは棲み分けの出来ていた竜族を次第に圧迫していったに違いない。
 竜族から見ればどうか?自分たちの住んでいた土地に人間たちが我が物顔で入って来るということだ。この状況に危機感をおぼえ、人間の傲慢さに怒りを感じたメディウスら竜族が決起したのが第1次ドルーア戦争の始まりである。

【アカネイアは何故敗れたか?】
 地竜王メディウスを中心とした竜の軍団は強大だった。その強大な力の前に聖王国アカネイアはあっけなく滅亡した。あんな怪物の群れに攻められたら人間に勝てるわけがない。だがアカネイアがあっけなく滅びた要因は本当にそれだけか?

 敗因はもっと他にあるのではないか?
①竜族に対する畏怖
 これはアカネイア大陸特有の事情。竜は人間以前に大陸で栄えていた、強大な力と高い知性、長い寿命を持つ種族なのだ。当時の人間にとって竜は神や悪魔のようなもの。そんな存在が群れをなして自分たちを滅ぼそうと襲ってくる。その恐怖、絶望感はとんでもなかったはず。
 当時のアカネイア大陸の人々の感覚では“天罰”とか“神の怒りに触れた”というところだろう。“勝てる”どころか歯向かうという発想すら無かったはずである。

②組織的な抵抗が出来ず各個撃破された。
 さらに、何故組織的な抵抗が出来なかったのか?という話になる。
 竜族が攻めてくるという想定外の事態にパニックになっていたからだろう。大陸最強の国になって久しい当時のアカネイアには強大な敵は存在しなかった。軍を動員するような戦いは賊や辺境の蛮族を懲らしめるという性質の小規模なものだったと考えられる。そんな格下の敵としか相手にしてこなかったアカネイア軍の前に突如現れた強大な敵。竜族が敵として現れただけで浮足立ち、パニックに陥り、戦いにならなかったのではないか。
 では浮足立った一般兵を統率すべき貴族ら指導層は何をしていたのか?
 強い外敵がいなくなって久しいアカネイアでは、貴族同士の勢力争いに明け暮れていたと考えられる。内輪揉めに明け暮れた国が外からの危機に対しどれほど脆いかは古今東西の人間の歴史が証明している。これでは勝てるわけがない。

 つまりドルーア戦争開戦時のアカネイアは平和ボケしていたということだ。そんな国が王国の威光が通用しない外敵に攻め込まれるという未体験の事態に出くわし大パニック。アカネイアは竜族に戦う以前の部分ですでに負けていたというわけだ。
 
 しかし歴史の結果は人間の逆転勝利に終わった。なぜか?
 
【人間大逆転のタネ】
 一度は脆くも滅亡したアカネイアだが、息を吹き返して竜族に逆転勝利する。その奇跡のタネとは?

①新たな英雄の登場
 粘り強く抵抗を続ける人間の中に英雄たちが生まれたこと、それが第1のタネだ。最も有名なのは後にメディウスを倒したアンリだが、他にもマケドニア地方の反乱奴隷のリーダー・アイオテや後の後のグルニアの祖オードウィン将軍、アカネイア貴族のカルタス伯もか。(参考・FEデザイナーズノート)カルタス伯以外はそれまでのアカネイアの表舞台には登場し得なかった身分の低い者という点も特筆に値する。
 強大な力を持つ竜族に対して人間たちは連係プレイやゲリラ戦法で対抗するようになったが、そのリーダーとして頭角を現したのが前述の英雄たちである。とはいえ彼らはこの時点ではそれぞれ別々に戦っているのでまだ小規模な抵抗でしかない。

②王女アルテミスの存在
 滅亡したアカネイアの王族には一人だけ生き残りがいた。それがアルテミスだ。彼女を人間の『人間の団結の象徴』として祭り上げて、各地で生き残り抵抗を続ける人々をひとつにまとめた事、それが第2のタネである。
 アルテミスは当初、アリティアのアンリに保護されていたが、アルテミスを『人間の団結の象徴』に祭り上げるというアイデアは当時辺境の開拓民のリーダーに過ぎなかったアンリに思いつくアイデアではないだろう。おそらくアルテミスの生存とアンリの活躍の噂を聞きつけたアカネイア貴族・カルタス伯のアイデアだろう。彼はアカネイア敗北の原因が人間の団結力不足にあったことを理解していたのだろう。
 アルテミス自身が何かをしたわけではない。彼女はそこにいるだけでよかった。人間たちが生き残るためには団結して戦わなければならなかった。当時の人間たちは絶望の闇の中で、希望の光アルテミスの下に集った。
③神竜族が人間に味方した。
 ゲーム中で強調されているのはコレ。特に竜殺しの神剣ファルシオンを与えられたアンリは『竜に勝利しうる人間の力の象徴』として人々に希望を与えた。
 また、『神の竜の王』が人間に味方してくれたというのも大きな意味をもつ。
 人間たちはドルーア戦争を当初は神の怒りに触れた自分たちへの天罰と捉えていた。しかし神竜王ナーガが味方した後は違う。正義は我々にあると勇気づけられた。
 『人間の団結の象徴』アルテミスのもとにひとつになった我々人間は正義。対して敵は神竜王に見放された邪悪な竜族。そして『竜に勝利しうる人間の力の象徴』アンリ。人間たちの士気は最高潮に達した。

④人間と竜の圧倒的な数の差
 何だかんだで最も決定的な理由アンリらを見て『勝てるかも』と思った人間がアルテミスの元に集い、組織的に向かってきたら竜に勝ち目は無いのだ。そしてその頃には人間にはもう集団で竜を倒すノウハウは確立していただろう。竜族は一人ずつ確実に減って行き、敗北した。

【人間勝利の後…】
 ドルーア戦争の結果、アカネイア大陸の主は完全に竜から人間に移った。
 次回『アカネイア視点からのドルーア戦争(後編)』では、ドルーア戦争の過程でアカネイア大陸の人々が得たもの、ドルーア戦争の後にもたらされた変化を考察していきたい。

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この記事へのコメント

togege
2011年08月30日 22:45
人間は戦争するときに気にすること、それは自分が『正義』の側にいるかどうかだと思います。FE考察の重要なポイントの一つです。

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