FE考察~黒騎士カミュ、その実力

画像
 ゲーム中では敵役グルニア最強の実力者として、敵味方問わず一目置かれる存在として描かれている黒騎士カミュ。でも『本当にそうなのか?』が今回のテーマ。

 後の英雄王マルスの物語『ファイアーエムブレム』では主人公マルスの武功を高く見せるために敵を実際よりも強大に表現している可能性がある。特に黒騎士カミュはニーナとの悲恋など美談で飾られる人物なので、実際はどうなのか気になるところ。
 
 で、いきなり結論から言えば、カミュの実力は本物!

 まず実力主義のグルニアにおいて、若年ながら将軍であるという時点で実力を認められていると言っても良い。(参考:グルニア人のメンタリティ)しかも彼が率いるのは大陸最強と謳われる黒騎士団である。
 ただしカミュ自身の家柄の良さもあるだろう。カミュの黒騎士団はカミュ自身の力ではなく彼の家の力と見る事も出来る。父が早くに亡くなったか引退したかで家督を継ぎ、若くして黒騎士団の将軍なったと考えるのが自然だろう。実力主義のグルニアというが、それはあくまでも『他の国のように血統絶対ではない』という程度で、王自身が世襲であることからも基本は血統社会だということだ。
 問題はカミュが受け継いだ黒騎士団を自分の力として使いこなせていたかということ。

証言1:木馬隊のギガッシュの死に際の台詞
 『うぬ…さすがだな…マルス王子。だが…覚えておくがよい。カミュ将軍の黒騎士団が…もうすぐ…おまえの前にあらわれる… おまえたちは…大陸最強の…“ブラックナイツ・カミュ”に打ち砕かれる…運命…』
 自慢の木馬隊をあっさり破られたことに驚きながらのこの台詞。負け惜しみのようでもあるが、ギガッシュは自分の予想よりも遥かに強い同盟軍の力を目の当たりにした上でカミュの黒騎士団が勝つと信じて死んでいった。

証言2:グラのジオル王
 『天馬騎士団だと!そんなもので奴らを倒せるか!カミュの黒騎士団かミシェイルの竜騎士団をよこせといえ!』
 絶体絶命のピンチで焦るジオルはドルーア陣営で頼りにされている騎士団を名を挙げている。そして先に名前が出た黒騎士団の方が格上だと思われる。カミュだけはお忍びで来ていることを知らないのは憐れ。

 これらの証言は、必ずしもカミュ将軍の実力を的確に表したものではない。ギガッシュは負け惜しみ、あるいは過大評価、そして願望が混じっている。証言としての信頼性は低い。ジオルはおそらくドルーア陣営の中でも有名な騎士団とその指揮官の名前を出しているだけで、その本当の実力はたぶん知らないだろう。両騎士団が本当に最強化どうかは疑う余地はある。

 ではカミュの将軍としての実力を裏付ける証拠となる事実は他に無いのか?
 ある!

証拠1:征服後のパレスを任された事実
 帝国軍によりパレスが陥落した後、グルニアの諸将は旧アカネイアの領地を山分けするかのように各地を占領統治した。レフカンディ→ハーマイン ディール→ジューコフ といった具合に各地の司令官として任された。
 そしてカミュはパレスの司令官になった。それゆえに処刑の決まっていたニーナを逃がすことが出来たのだ。パレスは言うまでも無く最も重要な場所であり、グルニア将軍として与えられる恩賞としては最良のものに違いない。
 カミュがパレスを任されたという事実から確実に言えるのは、カミュは対アカネイア戦争で最大の戦果を挙げたということだ。それもマケドニアのミシェイルも含め、皆が認めざるを得ないというほどのだ。

証拠2:ニーナを逃がしながらも処刑を免れた事実
 ニーナを逃がしたのはドルーア陣営の勝利を手放すどころか、逆転のタネにもなる重大な裏切り行為である。実際そうなった。ドルーアが負けた原因はマルスでもハーディンでもなくカミュである。(参考:ドルーア視点の暗黒戦争)
 もちろんドルーアのメディウスやガーネフはニーナ一人でも残せばアルテミスのように団結の象徴になる事を分かっていたから、アカネイア王家全員の処刑は強硬に進めようとしたし、その方針にカミュが背いた時には激怒したはずである。

 …、にも関わらず生かされた。
 何故か?
 戦力としてのカミュというカードを残しておきたかったからに他ならない。
 ニーナを残した以上アカネイアとの戦争は続く。そしてニーナがアルテミスの再現ならば、息を吹き返したアカネイアはニーナの下、反ドルーア勢力を一つにまとめた手強い敵になるからだ。それに対しカミュの黒騎士団の戦力は切り札として残しておきたいと考えたのだろう。
 首をすげ変えた黒騎士団ではなく、カミュ率いる黒騎士団をドルーアやグルニアは必要とした。この事実からもカミュはドルーア陣営で最高の軍事指揮能力を持っていたと分かる。


 では、政治家としてはどうか?
 パレスという難しい占領地を任された事から、それなりに統治能力は高いと思われる。彼に占領されたパレス市民の評判も悪くないようだ。ただしニーナを逃がし、そのニーナとの悲恋話による人気があった事は差し引いて考えるべきだろう。(ニーナ以外のアカネイア王族処刑は彼の占領統治下で行われた事実は忘れられている。)

 しかし、ニーナを逃がした事により戦争の長期化と最終的な敗戦、そして祖国の滅亡を招いた事実は見逃せない。ニーナを逃がした時点でこの事を予測は出来なかった可能性は高い。そうなるとカミュの政治センスは最低限の水準にすら満たないことになる。
 別に不思議な事ではない。将軍としての戦術眼・統率力と政治家としての見識・決断力・リーダーシップは全く別の物だからだ。両方あるのは天才で真の英雄である。


【まとめ:カミュの人物評
 そのルックスや高潔な人柄、善良な統治、そして戦場では無敵の英雄。民衆の人気は絶大といえる。しかし政治センスは最低で、ニーナを逃がすという愚行を犯し、戦争の逆転負け、そしてグルニアの滅亡を招いた張本人でもある。

【次回予告】
 黒騎士カミュ、その行動原理
 カミュはなぜニーナを逃がしたのかを考察する。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 7

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い

この記事へのコメント

くそまじめ
2017年03月18日 17:14
カミュの口ぶりだと、ニーナがアカネイア同盟の大軍を率いてドルーアに立ち向かうことまでは想定していた。
カミュはドルーアの思想に手を貸す危険性を感じ取っていたのでは。
くそまじめ
2017年03月18日 18:05
事実、グルニア王の境遇はろくなものではありませんでした。

この記事へのトラックバック

  • エアマックス 95

    Excerpt: FE考察~黒騎士カミュ、その実力 考えるを楽しむ/ウェブリブログ Weblog: エアマックス 95 racked: 2013-07-09 21:52