FE考察~軍隊のイメージ・前編

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 今回はファイアーエムブレムの華、各国の軍隊について考察する。

【前提としての騎兵について】
 騎兵、馬に乗って戦う兵士。このゲームではソシアルナイト、パラディン、ホースメンが存在する。またこのファンタジー世界にはペガサスナイトやドラゴンナイトという空を飛ぶ騎兵も存在するが、これらは別の所で語る。まずは現実世界にも存在する騎兵について考える。

 前提とすべき事項は騎兵は運用コストが高いという事。
 地域差はあるが、馬自体が高価である。そして餌などの維持費用もかかる。馬を所持するコストの高い地域だと、馬を所持出来るのは金持ちか有力者に限られていた。
 また、馬に乗って戦うには長年の修練が必要である。人も馬もである。何が言いたいか?騎兵は誰にでもなれるわけではない。幼い頃から馬に慣れ親しんだ者、例えば貴族や金持ち、騎馬遊牧民族がそれにあたる。

 架空のファンタジー世界であるアカネイア大陸で馬は貴重な物なのか?ゲーム中ではソシアルナイトが最も標準的な兵種の一つとして位置付けられているので、馬の所持コストは安く、結構誰でも馬に乗れるのでは?という可能性はある。あくまでファンタジー世界だからだ。
 しかし結論から言えば、馬の貴重さは古代~中世の現実世界と大差は無い。なぜなら主戦力として歩兵が存在し、指揮官にもジェネラル(重装歩兵)が多いからだ。つまりアカネイア大陸でも騎兵は高価だという前提で考えるべきだ。

 となると、一般兵の兵種は基本的に歩兵(ソルジャー・アーチャー)が主力となる。もう少し格上の重装歩兵アーマーナイトがアカネイア大陸での花形兵種と考えられる。ナイトという以上は正規軍で騎士(貴族)身分なのだろう。そして彼らを上級騎士ジェネラルが指揮する形をイメージすれば良いだろう。そして戦場での機動力と衝撃力を期待される騎兵隊(ソシアルナイト、パラディン、ホースメン)、他に戦車兵(シューター)飛行部隊(ペガサスナイト、ドラゴンナイト)が正規軍に入っているだろうか。戦力の不足を補う補う非正規の傭兵や現地徴用兵は傭兵、勇者、戦士、ハンター、ソルジャーなどか。正規軍か非正規かを一概に分類出来ないのが特殊技能を持つ魔道士、司祭、僧侶、スナイパーあたりか。

【伝統的なアカネイア軍】
 大陸最強国アカネイアを支えるのは圧倒的兵員数の歩兵たちである。先に述べた正規軍のイメージの規模の大きなものだと考えれば良いだろう。暗黒戦争では騎兵隊を率いていたハーディン皇帝が馬を下りて重装歩兵になっているところを見ると、アカネイアは伝統的に重装歩兵を主力としているらしい。そしてその慣習はアカネイアの秩序のもと文明化された周辺国においても踏襲されている。
 ただしアカネイアは周辺国(グルニア、アリティア、マケドニア、オレルアンあたり)と比べて、全軍に対する騎兵の割合が極端に小さいのではないか。もちろん歩兵の数が圧倒的に多いからというのもあるが、それでも騎兵隊というイメージは無い。
 アカネイアの領内は元々馬の生息数が少なくて、馬が高価で、騎兵を揃えることが難しいのではないか。

【オレルアン騎兵】
 騎兵の産地としてイメージしやすいのはオレルアンの草原地帯だろう。ハーディン率いるオレルアン騎士団は皆騎兵である。FEデザイナーズノート#1でもオレルアンの草原は元々騎馬遊牧民族の土地だとされている。現実世界でも遊牧民族は騎射の技術に優れていてホースメンを彷彿とさせる。軽騎兵ホースメンは特に対マケドニア軍で大活躍したと考えられる。ハーディン隊のロシェ&ビラクは遊牧民としての騎乗技術に加え、甲冑と槍というアカネイア式の装備をさせて、文明化された騎兵として育成されたのではないか。彼らのようなオレルアン騎兵は後に皇帝ハーディンの子飼いの兵力として新生アカネイア帝国軍を支えることになる。

【グルニア騎兵】
 アカネイア大陸の騎兵隊として有名なのはカミュの黒騎士団だ。黒騎士団は騎兵の集団運用で大きな戦果を挙げた。大陸最大級の規模で練度も高い。グルニア国内には名馬の産地と呼ばれるような場所があるのだろう。おそらくそれはカミュの家の領地内で、カミュの家はグルニア屈指の名家で多数の騎兵を正騎士として召し抱えられるほどの経済力があった。その軍事力と経済力、本人の軍事指揮能力により、カミュはグルニア国内やドルーア陣営内で大きな影響力があった。 
 しかしグルニア軍の主力はあくまでも重装歩兵である。元がアカネイア軍人の国であるグルニアがアカネイア式の“文明化された”軍隊を踏襲するのは当然ではある。ただ騎兵の産地があるのはアカネイアに無い強みである。
 グルニア騎兵のルーツを考察するなら、元々この地方にいた騎馬民族がその前身だと考えられる。オードウィン将軍は竜族との戦争に勝つためにこの地の騎馬民族を味方に付け、後にグルニア王国軍に組み込んだのがその始まりなのではないか。

【アリティア騎兵】
 規模こそ小さいが精鋭で知られるのがアリティア騎兵だ。といってもアリティアもグルニアと同様、オレルアンと違って騎兵の国ではない。やはり重歩兵(ドーガとゴードン)を中核に据えたアカネイア式の軍隊と考えるべきだろう。騎士団の総大将たるマルス王子が騎兵ではないからだ。
 アリティア騎兵隊が小規模に留まっているのは馬の産地の規模が小さいからではないか。馬が少なければそれを乗りこなす人材の育成もままならないということだ。
 ジェイガンらアリティア騎兵のルーツはアリティア開拓民の中の一部族の騎馬民族だったのではないか。アンリの時代に竜族との戦いで仲間になり、アリティア王国の騎士団に組み込まれた…、そんなところではないか。(参考:英雄アンリの影・後編)あるいは平地の多いカシミア地方の騎馬民族がグルニアとアリティアに分かれたとも考えられる。

【ハーディン皇帝とマルス王子は何故馬に乗らないのか?】
 ハーディンやマルスに限らずアカネイア大陸の文明化された軍隊の将軍は馬に乗らない者が多い。黒騎士団のカミュ将軍と竜騎士団のミシェイル王はむしろ例外に属する。特にハーディンは皇帝になると馬から下りている。

 それはアカネイアの騎馬民族に対する蔑視が根底にあるのではないか。

 馬に乗るのは野蛮人のすることという意識があるのだろう。ハーディンが馬から下りたのはそういう事だ。
 マルスの時代には騎兵隊は正規軍に欠かせない兵科になっているし、王族貴族は普通に馬に乗る。騎兵の地位は大きく向上しているが、それでも人々の根底に流れる差別感情を拭い去るのは容易ではない。
 おそらくアカネイアでは馬に乗るという行為は最初は恥ずべき行為されてきた。しかし馬というものは便利なもの。特に戦場においてその有用性が認められると次第に貴族階級も馬に乗るようになる。そして騎士階級の者が馬に乗る、あるいは騎兵が騎士として取り立てられるようになると、槍と盾、甲冑の伝統的なアカネイア正騎士スタイルの騎兵ソシアルナイトが誕生した。そして騎兵隊の中でも特に位の高い者はパラディンの称号を与えられる。
 アカネイアにおける騎兵の地位はめざましく向上した。

 しかしそれでも何百年もの伝統のあるアカネイア騎士団の重歩兵偏重主義は無くならなかった。ハーディン皇帝ですらも変えられなかった伝統がアカネイア騎士団にはあった。重歩兵になったハーディンがカシミアでマルスをあと一歩で取り逃がしたのは皮肉な話である。


 ミシェイルの竜騎士団はどうか?飛竜は馬と違って依然として蛮族の乗り物だと見られていたのではないか。それゆえにマケドニアは他の国よりも扱いが低かった。この差別感情はマケドニアとミシェイルに大きな影を落とす。
 詳しくは後編にて…

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この記事へのコメント

togege
2012年09月24日 23:06
最も原始的な兵種が戦士とハンターですね。騎馬遊牧民族はホースメンです。何故か(笑)斧に強い武器である剣が都市部では好まれるようになって、剣士や傭兵が生まれました。その剣に対しリーチで圧倒出来る槍を使うソルジャーが生まれ、戦場でより有利な重装歩兵アーマーナイトが最強の兵士となりました。
ホースメンから槍と盾、鎧で文明化された騎兵のソシアルナイトに派生します。
辺境の狩人に鎧を着せて軍隊に入れたのがアーチャー。アーチャーかソルジャーあたりに巨大な弩を扱う訓練を施したのがシューター。
そんなイメージです。
fushigi
2012年09月25日 00:39
兵種の話題の番外編になりますが、実はマルスやシーダが意外と強くなれるのは傭兵達の戦闘経験を体得しようと試みていた(故に、技や速さに優れた面を持つ)のではないかと最近になって考えています。戦いの後姿を消したオグマの存在が後世になっても語られる下りの裏側には、彼が下馬・乗馬したナイト達よりも優れた実践剣術を残したことのあらわれなのかもしれません。多分ナバールも少なからずそういう身分なのでしょうが、個人的にあの人は実戦での逸話が多く残っているイメージですね。

ホースメンからソシアルナイトへの移り変わりはなかなか違和感ありませんね。
個人的には、ハンターとアーチャーは力関係を見てるとソルジャーポジションの兵士たちが狩人の如く弓を操る修練を積んでゆき、アーチャーで確立された弓兵の戦術と、ハンターが確立してゆく実戦での経験が合わさって、スナイパー(弓騎士)と呼ばれる存在に昇華されていった、という捉え方もあるのではないかと閃いたりも。
fushigi
2012年09月25日 00:59
>アカネイア軍の構成
重装歩兵中心…と聞いてすぐに思い出すのが、悪の巣~ソウルフル・ブリッジに至るまでの「アカネイア兵 アーマーナイト」率だったので、このブログで取り扱われている対ドル―ア戦役の様子もよりハッキリと想像できるようになってきましたね。
しかし重い鎧でもブレスの前には何にも役に立たなかったり(竜の危険性の表現は紋章の謎の仕様が一番印象的です)、そんな背景を考えると英雄戦争末期のアカネイア軍は想像を絶する金遣いに加えて過酷、もしくは怪しげな練兵がありそうで…今度からあの面遊ぶ時は、アカネイアの興亡と火の車具合のことをひしひし考えながらゲームしないといけませんな。

>アリティア騎兵
にもかかわらず、新兵達の多くが騎兵として英雄戦争に参陣し人によって活躍しなかったり大活躍したりするのは何故なのか…と思ったら、先輩騎士の活躍や草原の狼の活躍ができる場面が暗黒戦争に多く存在し、その影響を受けたって捉える事も出来るんですね。ううむ、早とちり。

今回の記事を見てると、あるマップでの戦いはアカネイア600年近くの歴史の中でトップクラスにコストのかかった一戦なのだろうかというのが頭をぐるんぐるんしてきましたね。
「グルニアくろきしだん」。あのMAPは敵の装備も、騎兵数も相当でした。

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