アリティアとアカネイアの蜜月関係

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【アリティアは経済大国?】
 前回《マルスとハーディンと炎の紋章》ではマルスが同盟軍の大将に取り立てられた理由について考察し、アリティア王家と聖王家には血縁関係があり、マルスは血統的に位の高い人物なのではという仮説を立てた。

 本記事のタイトル通り、アリティアとアカネイアは蜜月関係にある。アリティアは「聖王国の盾となれ」を国是とし、暗黒戦争開戦時には国王コーネリアス自らが全軍を率いて参戦し文字通り聖王国の盾となり砕け散った。戦後のグルニアの反乱の際にもマルス王子自らが遠征に赴いている。アリティアは聖王国のためなら命も投げ出すほどの忠誠を示している。アカネイアはアリティアを都合の良い番犬として使役してはいるが、それなりに重要視して信頼関係もあるのではないかと考えられる。寝返ったり日和見になったアカネイア旧来の大貴族よりはコーネリアスの方を信用していたのかもしれない。
 アリティアがここまで忠節を尽くすのなら、それなりの報いがあったはずと考えるのは自然ではないか。そこで前回の考察で述べた聖王家の血縁の娘を降嫁したのではないかと仮説を立てた。ただそうなると属国に聖王家の一族から嫁を出すのと有事の際の盾になるのとではとても釣り合いが取れない。

 何が言いたいか、アカネイア聖王家が一族の中から嫁を出してまでアリティアを押さえておきたい理由があるのではないか、ということだ。

 すぐに思いつく理由はアリティアは経済大国なのではないかということ。ただしアリティアの国土は狭い。食糧生産力と人口では勝負にならない。なので商業ベースで得た経済力を武器に聖王家に取り入ったのではないか。

【根拠その1・城下町の規模】
 アリティアの経済力を示す指標として“暗黒竜と光の剣”での城下町の規模を挙げてみる。根拠として示すには若干心許ないが目安にはなるかもしれない。アリティア城下町の規模はノルダに次いで大きい。ノルダとアリティアに次ぐのはワーレンとカシミヤ。これらの都市はどの国にも属さない自由都市というのが面白い。他はグルニアもマケドニアもアカネイア国内の他の都市も大差は無く、上位4都市に比べると明らかに小規模だ。

【根拠その2・タリスとの関係】
 マルスが遥か遠くのタリスに亡命出来た事実が2つ目の根拠である。コーネリアス王戦死の混乱の中で手際よくマルスをタリスに逃がすのは平時からの関係性無しには不可能だったはずだ。アリティアとタリスは海洋貿易でつながっていたと考えられる。港町ワーレンもマルスに協力的で、ワーレンからペラティ、ディールまでの海路を活用した効率の良い進軍ルートの確保は貿易立国アリティアが平時から培ってきたネットワークあってのことではないだろうか。

【アリティアとアカネイアの蜜月】
 アリティアは海洋貿易で得た経済力を背景にアカネイア聖王家に接近した。提供したのは様々な貢物や軍事力。アカネイア聖王家もアリティアの経済力を押さえておくために様々な便宜を図ったと考えられる。
 アリティアが欲したのは聖王家の権威だろう。アリティア国内は有力豪族の勢力争いが激しく、それを抑え込むのにアカネイア聖王家の権威は必要不可欠である。アラン村とサムソン村の確執、アベルの寝返り、グラの分離独立、アンリから弟への政権交代など、アリティアは大陸一内紛の種の多い土地だからだ。

 約100年前に滅びの危機を乗り越えて生まれた新しい国々(アリティア、グルニア、マケドニア)はいずれ父なる聖王国を凌ぐ勢いで発展をした。父なる聖王国からの支配から独立を目指そうという気運が生まれたのは必然ではないだろうか。古代帝国の復活はそのきっかけに過ぎないことを、当のメディウスは気付きようがなかった。

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この記事へのコメント

togege
2017年12月24日 18:00
経済力でのし上がったアリティアを押さえておきたいアカネイアとアカネイアの権威を利用したいアリティアが良い感じでwin-winになっているというイメージでしょうか。
伊勢平氏の正盛~忠盛~清盛の3代にも通じるところがありますね。
軍事力を伸ばしたマケドニアやグルニアとは目の付け所が違うんですね。
ロギー
2017年12月24日 19:28
アリティアが交易に力を得たのは、マケドニアやグルニアのように軍事基盤が乏しいからじゃないでしょうかね。
更にグラの分離独立の経緯をみても、武力では限界がありますし、武力の増強をしすぎると聖王国の目がうるさいですからね。
そうなると交易で力を蓄えたのは自然でしょう。
おそらくマルスの曽祖父マルセレスの時代から交易に力を入れたんだと思います。
個の英雄アンリは政治家としては凡庸で、弟が内政などは実権を握ってたんでしょうね。

おもち
2017年12月26日 19:25
なんとなく第一部のアリティア城の鍵を開けないと入れない玉座のある部屋の奥にアンナさんの秘密の店があった理由が解った気がします…
あらた
2017年12月31日 16:57
考察お疲れ様です。
アリティアが商業に力を入れていたという点はタリスとの関係を考えれば十分ありえますね。
アリティア家臣団で最も商業に近しいのは暗黒戦争終了後に武器屋をしていたアベルですかね。坂本龍馬的な半商半士の出身というか豪族としてアリティア王家の家臣として従う傍ら、本業の商業にも携わっていた可能性を考えました。
一面相
2018年01月10日 20:11
何時の時代も武力よりも金の方が強いですね。
だからアリティアは武力が基盤であるマケドニアやグルニアやグラといった軍事国家たち妬まれたのでしょう。
脆弱なグラは軍事政権としては微妙ですがね。

ロギーさんが提唱している。
マルス王子庶子説は可能性はあります。
理由はマルスは留守番を命じられてることです。
あの暗黒戦争は天下分け目の大戦です。
時代を担う王太子を従軍させない理由になりません(家康も関が原では嫡男秀忠に一軍を任せましたからね。逆に妾腹の忠輝たちは留守番でした)
これを基にマルスには王太子である正妻腹の異母兄がいて、彼はコーネリアス王と共に従軍したと思います
また、この王太子はニーナ王女の婚約者だったはどうでしょうか(アカネイア聖王の敵は五大貴族意外にも、聖王の座を狙うアカネイア聖王家の王族にいると思います)
そういう連中に対抗するためにも、マルスの兄さんはニーナの婚約していたと思います。
徳川綱吉は甥に後を継がせないためにも、紀州徳川家に娘を嫁がせていますからね。

これらを踏まえて、マルスが炎の紋章をニーナから授与されたのは、戦死した兄さんの代用品だったのでしょう。
兄さんが健在ならば、妾腹のマルスの存在は塵に過ぎません。
あらた
2018年01月14日 23:54
海運という点でアカネイア大陸の地図を見直してみるとアリティア王国は立地的にはアカネイア王国にワーレンにガルダといった東の港町と西のグルニア…というよりは西方のバレンシア大陸を繋ぐ海路の中継地にあたるんですよね。アリティアの戦いや王子の帰還で舞台となる首都アンリ周辺は水に囲まれているというか水路のようになっており明らかに水上交通が発達しているように感じました。マップの東部の建設物は防衛の為の要塞兼灯台でなかろうかと思います。
肉味噌
2018年01月23日 14:11
交易もさることながら、水が豊富な所から見ると二次産業に強いイメージですね。アリティアは酒や武器などの加工貿易で財をなしたのでしょう。

同じく水源が豊富なグラはマップやグラ兵の装備から推測するに産業にあまり力を入れているようには見えません。

アリティアの産業立国はアンリの弟マルセレス主導の政策であり、英雄アンリの武勇を信奉する一派がこれに反発してアンリの死後、グラとして独立したのではないでしょうか。

そう考えると暗黒戦争でのグラの裏切りと正統なアンリの後継者の象徴であるファルシオン奪取も頷けます。ガーネフにいつの間にか掠め取られてしまいましたが。

マルセレスの人物像についてもぜひ考察していただきたいですね。
cvhiryuu
2018年03月01日 20:23
現実の歴史で太子を従軍させるかどうかは文化によって大分違いが有るみたいです。

日本や英国、ローマ帝国では「次期国王たるものが後方の安全な場所にいては示しが付かない」という理由で前線に精鋭部隊を付けて出撃させています。
逆に中国では「君主と太子が同時に死んだら国の秩序が保てない」と太子は留守番役が普通です。
前者の場合は「国王は領地の安全と治安を守る人間=弱いと下の人間が付いていかない」、後者の場合は「国王は国の統合の象徴と言う宗教的な面が強い」社会と考えられます。
尤も・・・「父子が並んで戦場に立つ→戦に強い息子に人気が集まって派閥が出来る」と言うパターンは武田信玄、徳川家康、コンステンティヌス大帝等多々有るので、「太子が強過ぎても困る」のですが・・・
togege
2018年03月04日 17:16
記事本文でお題だけ出して、コメント欄だけで考察記事にするとか、そんな新企画どうでしょうかね?
まずはルールとかの枠を決めて出してからか‥
ロギー
2018年03月07日 21:41
cvhiryuuさん、コメントありがとうございます。

アカネイア聖王家の盾でなければならないアリティア王家の国是を考えると。
前者の次期国王は戦線に出るほうがしっくりきますね。
そうなると王都で留守番していたマルスは次男で、兄王子は父王と共に戦死した可能性が高いです。
また、マルス王子の名前はアリティア二代国王マルセレスにちなんだ名前にみえますから次男でしょうかね。

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