ドラクエⅡ考察~モンスター編⑤魔物は教団を映す鏡

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ラリホーアント
(ムーンブルク地方、ルプガナ地方、湖の洞窟、風の塔、大灯台)
 広い範囲に生息し、呪文を唱える蟻。これまでの考察の法則をあてはめると、ラリホーを使えるように改造した蟻が野生化し勢力を伸ばしたと見ていいだろう。ラリホーの呪文は野生で生きるのにも便利な能力だったのだろう。【番犬系】としての利用もポピュラーだが、王子たちが出会うのの多くは【土着モンスター】に分類されるものであろう。
 さて、このラリホーアント、兵器として見ても非常に優秀である。ローコストで敵を無力化出来るのだから。シンプルながら【作られた魔物】としては傑作の部類と言っていい。
 
パピラス、メイジパピラス
 (パピラス:海上、テパ地方、満月の塔)
 (メイジ:ロンダルキアの塔)
 出現傾向からするとパピラスは渡り鳥のような生き物だろうか?満月の塔では巣を守ってるようでもあり、地獄の使いに使われてるようでもある。その性格は獰猛で群れをなして執拗に攻撃してくる。
 メイジパピラスは名前からすると呪文を使えるように改造されたパピラスのようだが、おかしな所がある。一つ目は出現エリアがロンダルキアの洞窟内だということ。とても翼竜タイプの魔物が力を発揮出来る場所ではない。一応まだロールアウト前の開発中の状態で王子襲撃の非常事態に際し急遽その場での応戦をしたともいえる。自由に飛べなくとも呪文は使える。二つ目はパピラスと行動が違い過ぎること。パピラスのように2回攻撃や仲間を呼ばないのはまだしも炎を吐くのはおかしい。
 ここで仮説を立てる。メイジパピラスはパピラスとは全く異なる種族なのでは?と。ではメイジパピラスの正体は?考えられる一つ目はロンダルキアの洞窟に棲む炎を吐くコウモリに近い種を改造したのではという説。翼竜ではなくコウモリ、イイ線行ってるか?しかし炎を吐くコウモリってのはおかしいか?
 もう一つの説はべビルやアークデーモンのような悪魔族であるという説。これなら炎を吐くのも呪文を唱えるのも不自然ではない。

ホークマン、ガーゴイル
 (ホーク:海上、デルコンダル地方)
 (ガーゴ:海上、満月の塔、ロンダルキアの洞窟)
 見た目は似ていてもホークマンは鳥人間ガーゴイルは動く悪魔像と根本的な部分で全く異なる種族の魔物である。ホークマンの方は鳥人間と呼ぶには角が生えてるし翼は鳥類ではなくコウモリのようだ。なので人間が勝手につけたホークマン(鳥人間)ではなく悪魔族の一員とみなすべきだろう。
 ガーゴイルはホークマンと根本的に違う魔物である割にその行動パターンは似通っている。海上パトロールを任務とする点でも共通する。そして見た目が似ている。それらから察するにガーゴイルはホークマンの仕事の代わりをするロボットなのではないか。広い海を個体数の少ないホークマンだけでカバーしきれないのは明らかである。ただサボっているわけではない…、ハズだ。
 ガーゴイルはその使い勝手と性能の良さから満月の塔やロンダルキアの洞窟の警備にも使われている。

スモーク、ガスト
 (スモーク:ムーンブルク地方、テパ北部地方、ムーンブルク城、風の塔)
 (ガスト:デルコンダル地方、テパ地方、海底洞窟)
 よくわからない生き物である。形の無いガス状の生命体のようだが、剣で倒せなくもなかったりする。体質上魔法に弱いのは明らかだが、それを補うためにマホトーンの呪文を唱える。恐るべき知性の持ち主だ。ガストの方はさらにマヌーサやラリホーを使う。これは敵を撃退するためではなく自分の身を守るために自ら身につけた能力だろう。スモーク、ガストについて分かったのは自らの身を守るのに必要な呪文を使える知性があること。そしてイメージに反して臆病でおとなしい性格だということ。まあ追い詰められて噛みつく(?)くらいの事はするようだが。その特性は野生の【土着モンスター】と見て良いだろう。
 では【番犬系】としてはどうか?風の塔やムーンブルク城のスモークはその使い手らしき魔物とは一緒に現れない。ほぼ100%【土着】モンスターと見て良いだろう。ガストはどうか?“ようじゅつし”や“じごくのつかい”の研究対象だとは思うが【番犬系】として使ってはいないだろう。魔法を得意とする彼らと魔法を嫌うガストの相性は最悪だからである。
 姿は似つかないが“じんめんじゅ”とウドラーも魔法が苦手でそれから身を守ろうとする習性や臆病な性格では共通している。同じ理由で“ようじゅつし”や“じごくのつかい”の研究対象にはなっても、【番犬系】にはなれないのも同様である。
 
どろにんぎょう、パペットマン
 (どろ:ルプガナ地方、アレフガルド地方)
 (パペ:テパ地方、満月の塔、海底洞窟)
 人形に生命を与えたカッコいい呼び方をするならホムンクルス。“どろにんぎょう”は戦闘能力では他の同クラスの魔物に劣る、不思議な踊り以外には取り柄の無い魔物という位置付けである。きっと戦闘用ではなく“じんめんじゅ”辺りの不思議な踊りの研究の過程で作りだされたのだろう。コストも安く戦闘用に使えないかと考え、量産したもののやはり知性は無く踊るだけの人形に利用価値は無いと判断され放置されたのだろう。人形使いの“きとうし”が使役している個体も存在するが、多くは野に捨てられたと見ていいだろう。

 パペットマンは作り過ぎて困っていた“どろにんぎょう”を何とか改良できないかと考え作りだされたに違いない。まずはボディの強化。硬く軽量に改良することで“どろにんぎょう”の弱点だった守備力と速さを克服。攻撃力は捨てて不思議な踊りに特化している。それ以外の用途が欲しいという要求に応えるためかスクルトの呪文で守備面を強化し味方を守る盾にも使える。(戦闘での行動は不思議な踊りとスクルトのみ!)
 ローコストで量産出来て、シンプルに任務を遂行するパペットマンの兵器としての完成度は高い。しかしパペットマン自体の完成度に対して教団内での評価は芳しくないと断言する。明らかな失敗作“どろにんぎょう”のイメージを払拭し切れなかったのもあるだろう。決定的な理由は呪文偏重傾向のある教団内での“ふしぎなおどり”への偏見だろう。魔封じには即効性のあるマホトーンがあれば十分で低俗な踊りは不要と考えてるのだ。教団の呪文偏重傾向は野生の魔物に呪文を使わせる改造にも表れている。(ラリホーアント、ホイミスライム、等)
 そう考えると防御に特化してるわけでもないパペットマンに『何故スクルトを使わせるのか?』という疑問も解決する。パペットマンを採用させるための苦肉の策なのだ。(スクルトはゴーゴンヘッドという成功例があり、イメージが良い。)本来は踊り特化にした方がより完成度は高かったのだが、それでも十分成功例として良い作品である。

 それにしてもハーゴン軍は失敗作の魔物を野生化させることが多い。(例:メドーサボール、くさったしたい、リビングデッド、リザードフライ)生命もあるし情が移って処分するのは忍びないと思ったのだろうか…、殺さずに野に放つのは彼らの価値観或いは教義から来ているのだろうか。いずれにせよ人間や先住の生き物にとってはひどく迷惑な話である。

メタルハンター、キラーマシン
 (メタル:海底洞窟、ロンダルキアの洞窟)
 (キラー:ロンダルキアの洞窟)
 キラーマシンは呪文こそ使えないが、【作られた魔物】としては攻守ともに最強クラスの性能である。ハーゴンの神殿の守衛としても採用されている。しかし生産数は少なさそうである。確かにコストは高そう。非常に硬く魔法にも強い装甲材質はロトの鎧をも遥かに上回る。
 メタルハンターは高価過ぎるキラーマシンの量産型として生産されたのだろう。装甲の材質だけでなく全体的な性能も遠く及ばない。生産数がさほど伸びなかったのは弱いからだろう。
 しかしメタルハンターは弱過ぎる。何故こんなに弱いのか?いや、弱くされたのか?
 それはキラーマシンが強過ぎたからではないか。その強さをハーゴンに認められて量産化の決定したキラーマシンだが、呪文偏重の教団内においてキラーマシンはその価値観をゆるがす異端児だったのだろう。教団上層部の中にはキラーマシンの存在を認められない者も少なくなかった。その彼らはキラーマシンの評価を貶める為の工作は色々やっただろう。その中のひとつが材料調達の妨害で、結局量産型メタルハンターは粗悪なものしか作れなかったのだろう。キラーマシン・メタルハンターを巡る教団内の派閥争いは考察一本書けそうな題材である。

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この記事へのコメント

togege
2011年04月21日 22:01
 魔物についての考察をする過程で、ハーゴンとその教団の実像が少しずつ浮かび上がって来ました。今後の構想は『竜王編』『ハーゴン編』『ムーンブルク編』を考えています。
kirey_bee
2011年04月24日 11:09
>呪文偏重の教団内においてキラーマシンはその価値観をゆるがす異端児

この考察は面白いですね。たしかに異色な敵キャラです
でんたん
2018年09月30日 18:43
キラーマシン・メタルハンターはハーゴン教団の中でも異色の存在ですがそのルーツはゴーレムを作成したメルキドの技術かストーンマンを使役していた竜王側の技術がルーツの可能性も考えられます。竜王城攻略の際にハーゴン側に転じた竜王の技術者、あるいはメルキドが無くなった際にハーゴン教団に流れた感じで。Ⅰでは結果的に勇者とゴーレムが交戦する事になりますが、これはメルキドが反ロト・反ラダトームの派閥があったからとも。

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