ドラクエⅡ考察~ムーンブルク落城とハーゴン軍の沈黙(前編)

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 ドラクエⅡのオープニングでハーゴン軍によりムーンブルク城は瞬く間に落城し廃墟と化した。
 傷つきながらも最後の力を振り絞ってローレシア城に辿りついた兵士がローレシア王に伝えた事は…
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 このムーンブルク兵は致命傷を負いながらも滅びゆく祖国に背を向け、遠く離れた異国の地で死ぬのである。奇跡的な使命感の持ち主である。
 
 しかしハーゴン軍はローレシアまで攻め込んでくる気配は無い。
 ムーンペタが健在な所を見るとそこでハーゴン軍は食い止められたのだろうか?
 他の地域はどうか?例えばアレフガルド。大灯台を拠点に竜王の城を攻め落としたように見えるが、ラダトームに攻め込んだ様子はない。竜王の城にも精鋭が駐留してはいないことから、早急にラダトームを落とすつもりは無いようだ。大灯台と竜王の城を拠点として押さえているという程度。
 荒くれの王デルコンダルとは敵対関係ではなさそうで、上手く折り合っているように見える。
 テパも元々反ロンダルキアでは無いこともあり、攻撃の対象にはなっていない。満月の塔を押さえているので反ハーゴンの動きがあればすぐに叩きつぶせる用意は出来ているのだろうが、テパも滅ぼす気配はない。
 ぺルポイ地方に出現する魔物はくびかりぞく、マドハンド、 ガスト、ウドラー、 ヒババンゴ。ハーゴン軍の正規軍はこの地にはいない。ハーゴン軍はぺルポイを攻撃 してはいないし、包囲すらしていない。竜王の城とは違う。ぺルポイは勝手に怯えて引き籠っているだけだ。
 ベラヌールに至ってはハーゴン軍の手はまだ及んでいないようだ。この件に関しては『再考・ベラヌール』にて。

 ムーンブルク兵が言うように世界を破滅させる気はあるのだろうか?

 今までの考察でも少し触れたが、ハーゴン軍はムーンブルクを落とした後はそこから撤退している。何故ならこの城にはハーゴン軍の正規軍と言える神官や悪魔族がいないから。
 現れるのは放置された生ける屍リビングデッドや落城後に棲みついたと思われるリザードフライ、よろいムカデ、スモーク、メタルスライムだ。毒の沼地に囲まれたこの城は魔物にも棲みづらいのではと思う。何となく毒に強そうな魔物ばかりである。正社員ならこんな劣悪な環境には住みたくはないだろう。

 では何故ハーゴン軍は撤退したのか?
 考えられるシナリオは大きく分けて2つ。ムーンブルクを廃墟にするという目的を達成したか、あるいはそれ以上の侵攻が不可能な状況になり撤退せざるをえなかったか。

【シナリオ1~戦略目標達成】
 ハーゴン軍の目標は最初からムーンブルクを滅ぼすことにあり、ムーンブルクを廃墟にしたドラクエⅡでの状態で戦略目標を達成したとする説。
 言いかえるならハーゴンは世界征服をする気が無かったということである。ラスボスとしては肩すかしかもしれない。しかしその後の状況を見ればこの説は全くありえない話でもない。何しろムーンブルクを滅ぼした後は世界征服あるいは世界を破滅させる気のある行動は一切見せていないからである。
 では何故ムーンブルクを徹底的に破壊したのか?
 前回『シドーの教団の歴史( http://togege.at.webry.info/201105/article_4.html )』では“神の教会”苛烈な迫害と逃げた先のロンダルキアの過酷過ぎる環境ゆえに悪魔に魂を売るまでに恨みを募らせた。特にムーンブルクに対しては“裏切り者”として強い憎しみを抱いていた。
 そう考えるとハーゴン軍がムーンブルクを徹底的に破壊したのは当然の行動だといえる。

 ハーゴンの目的は最初からムーンブルクだけだった。本当にそうか?

 ハーゴンの復讐の対象は裏切り者のムーンブルクだけなのか?いや同様に“ムーン”の名を冠するムーンペタも裏切り者のはずだ。いや、ハーゴンの敵は自分たちを迫害した“神”を信じる者全てのはずだ。そうなるとムーンブルク兵の言うように『世界を破滅させる』正確には『“神の”世界を破滅させる』事がハーゴンの目的のハズである。そのために悪魔に魂を売り、邪神を召喚するのだから。
 
【シナリオ2~撤退を余儀なくされた】
 こちらのシナリオは更に分岐する。まずムーンブルク攻城戦での被害が大きくて撤退を余儀なくされたか、あるいは魔物の軍団の運用に問題があって一旦撤退したか、もしくは両方か?

 ムーンブルクの抵抗が激しかったのは間違いないだろう。地理的条件から見て長年ロンダルキアとの戦いを繰り返してきたのは間違いない。当然その備えはあるはずだし、それなりに強い戦士や魔法使いもいただろう。ロンダルキア級の魔物の軍団が強襲してきたら人間には防ぎきれないだろうが…

 魔物の運用上の問題と言えば、やはりロンダルキアの魔物にとって下界は暑過ぎたのかもしれない。ハーゴン軍の総力を結集した電撃作戦でムーンブルクを滅ぼしたはいいが、精鋭の魔物ほどさらなる侵攻を嫌がった可能性も低くはないだろう。本来魔物にとっては宗教も世界征服も関係無いことなのだから。
 ムーンブルクを滅ぼした勢いで一気に世界征服してしまおうというハーゴンの目論見は早くも頓挫してしまった。神官たちはもっと扱いやすい魔物を主力にする方針にシフトしたのかもしれない。

【ムーンブルクで起きたバイオハザード】
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 ムーンブルク城が滅びる前と後で大きく変わった事がある。それは毒の沼地に覆われたことである。
 
 【シナリオ1】だとハーゴンにとって憎きムーンブルクを滅ぼし、未来永劫この地が生き返らないように毒を撒いたと考えられるが、もしもそうではなかったら?
 ムーンブルクが毒に覆われたのはハーゴンにとっても予期せぬ誤算だったなら?つまりムーンブルクでバイオハザードが起こったという説である。
 もしそうならハーゴン軍が撤退を余儀なくされた第3の理由になる。

 詳しくは次回『ムーンブルク落城とハーゴン軍の沈黙(後編)』へ…

おまけ・プチ考察~ロトの鎧と稲妻の剣
 ドラクエⅡ最強クラスの武具で、ゲーム中では最強クラスの武具としてロンダルキアの洞窟に隠されている。
 当然、何故ここにあるのか?という疑問が湧いてくる。
 ロトの鎧は元々ムーンブルクの宝で落城した際にハーゴン軍に取られて洞窟に隠されたと考えられる。
 稲妻の剣はロトの鎧同様にムーンブルクの宝だとも考えられる。ムーンブルクにロトの鎧と稲妻の剣を装備出来る勇者がいたならロンダルキアの精鋭とも渡り合えるだろう。しかし一人では勝てず結局戦死してしまう。後にロンダルキアの洞窟で彼の魂と王子たちが出会い、希望を託す…、となると物語としては面白いかも。

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この記事へのコメント

しましゅ
2016年04月16日 23:15
面白い(^-^)/私は、ドラクエもドラクエに関わる書物もファンですが、、

こちらのあなたのブログが今までの人生で出逢ったドラクエ関連のもので、一番好きです、
中村シドー
2018年05月13日 06:23
教団の目的はシドーの顕現とシドーによる教会が支配する世界の破壊で、
生贄を捧げない場合にシドー復活に必要となる道具がムーンブルクに存在した。
ムーンブルク攻略の目標はその神器を手に入れることだったので陥落させたあとは撤退した…とか?

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