ドラクエⅡ考察~英雄・ローレシア王子の足跡②死の都

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【ムーンペタの平穏】
 ローラの門を越えムーンペタに辿りついた王子たち迎えたのはほぼ無傷で平穏な日常を送る意外な光景だった。
 この町では福引に関する話が多いが、これも平和だからこそ。ハーゴン軍によるムーンブルク侵の情報を得た当初はこの町も緊迫していただろう。ムーンブルクが落ちたら次に狙われるのは当然自分たちなのだから。しかし王子たちが訪れた頃には緊張も解け、平穏な日常を取り戻しているようだ。当面ムーンペタがハーゴンの侵攻にさらされないと思っているのだろう。実際この地方にはハーゴン軍らしき悪魔族は見当たらない。せいぜい下っ端の“まじゅつし”ぐらいなものだ。

 とはいえ王子たちの目的はまずハーゴンに滅ぼされたムーンブルクの現状把握。この時点でムーン王女は生死不明であることに注意。
 ところがムーンペタでは意外なほどハーゴン軍とムーンブルクの現状に関する情報は得られない。ムーンブルクから疎開して来た民の姿も目立たない。ムーンブルクから逃げて来た兵士が町はずれに隠れているぐらい。これ以上有益な情報は得られないと見切った王子たちはムーンブルク城に行く事を決めた。

【死の都ムーンブルク】
 ムーンペタの南を流れる川を渡ると、その様子は一変した。ムーンブルク領内は生ける屍“リビングデッド”が徘徊する死者の領域になっていた。ムーンペタに情報が来ないのは無理もない。ムーンブルクの人間はほとんど皆殺しにされた上、アンデットモンスターにされてしまったのだ。
 特にムーンブルク城にはリビングデッドとして彷徨うムーンブルク人や死に切れぬ魂が多数いる。まさに死の都である。
 悪夢のようなムーンブルクの惨状だったが、ここで意外にして嬉しい情報を得た。それは王女の生存とその救出方法である。王子たちは地獄で光を見た思いだったに違いない。

【西の祠の謎】
画像 ロンダルキアとムーンブルク中間点にありながらハーゴン軍の襲来を免れた西の祠。
 テパとの中間点としても重要な戦略的拠点であり、ハーゴンの仇敵である教会の拠点でもあるこの地が見逃されたのは実は意外な事である。ハーゴン軍の攻めを凌げる程の防衛力も無さそうだ。なので見逃されたと見るのが妥当だろう。
 何故見逃されたのか?
 ハーゴン軍の攻撃目標のひとつではあっただろう。しかしハーゴン軍はムーンブルク城への奇襲を察知されないために途中にある西の祠は無視して、全速力でロンダルキアから直接ムーンブルクを攻めたのではないか。そしてムーンブルクを制圧した後で周辺地域を蹂躙するつもりだった。しかしムーンブルク城で予想をはるかに上回る被害を出したため、西の祠は手つかずだった。

 ムーン王女生存を何故知っている?
 ムーンブルク落城時にローレシアと同じように伝令が走ったに違いない。ただし情報は『どこかで生き延びている』という事だけで、もっと詳しい情報は得ていないのだろう。

 犬になったムーン王女は信頼出来る人間の保護が欲しかっただろうが、城の近くにある西の祠の教会は目指さずに遥か北のムーンペタに逃げたのは何故か?
 ムーンブルク城の次に襲われるのは確実で、その防衛力も心もとなかったからだろう。
 もしかしたら西の祠の神父は信頼出来る人物でないのかもしれない。王族でありながら犬にまで身を落としたムーン王女の素性は本当に信頼出来る人物でなければ明かせない。犬にされたという最悪の弱みに付け込まれるからだ。人としての尊厳の問題や政治的な面でもそれは絶対に避けたい。ムーンブルクからもたらされた王女の情報がごく限定されていたのも無理はない。

 何故ムーンブルク城の調査をしないのか?
 教会にとっても王女生存に関する詳しい情報は欲しかったに違いない。しかし不浄な毒や魔物に支配されたムーンブルク城に踏み込むのは難しかったのだろう。王子たちのような勇者ではないのだから。人員も戦力も不足していたのだろう。
 北のムーンペタとの連絡は当然取れない。では西のテパからの支援は受けられるか?これも間にハーゴン軍の拠点である満月の塔があるため不可能である。西の祠は完全に孤立していた。よく生き残れたものである。神父たちは“カミのご加護”を信じたことだろう。

 またムーンブルク城の近くにありながら疎開して来た人々の姿が見えないのは、ムーンブルクが皆殺しだったことの裏付けである。
 
【風の塔へ】
 ゲーム中では重要アイテム風のマントを手に入れるために訪れる風の塔。しかし風のマントはハーゴン討伐とは直接関係無いし、そんな物を手に入れるためにわざわざ寄り道する必要も無いし、寄り道というにはかなり遠い。まあ、結果的には風のマントを手に入れたおかげで近道にはなったが…
 ゲーム中では語られないが、ハーゴン討伐の旅をする王子たちには風の塔に寄る積極的な理由があったはずである。それは風の塔がムーン地方におけるハーゴン軍の拠点だと考えたからであろう。
 ムーンブルクを徹底的に破壊したハーゴン軍が撤退したとはいえ、その姿が見えないのは不気味であったからである。
 実際行ってみるとそこにはリビングデッドが多く現れた。“まじゅつし”の姿もある。ハーゴン軍の拠点なのは間違いない。どうやらそこはリビングデッドやリザードフライ、ラリホーアントといったハーゴン軍の兵器製造工場だった。とはいえハーゴン軍主力の悪魔族はいないし、下っ端の“まじゅつし”クラスしかいない。ハーゴン軍拠点としての規模はサマルトリア西の洞窟と大差なかった。

【ムーン王女の復讐】
 ハーゴン軍の侵攻時にムーンブルク再起の希望を託されて逃がされたムーン王女。遺臣たちの思惑通り無事人間に戻れたが、彼女に突き付けられた現実は予想以上に絶望的なものだった。城も家族も家臣も失ったが、なによりも民を失った。ムーンブルク王国存続の希望を託されて生かされたはいいが、その王国には民はいないのだ。
 民無き国の王女となった彼女の絶望は想像を絶する。ムーン王女はハーゴンへの復讐を生きる目的にするしかなかった。そこにロトの誇りや理想などない。それでも王子たちは黙って彼女を受け入れた。

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この記事へのコメント

つん
2018年01月31日 14:31
>西の祠は完全に孤立していた。
神父の後ろには金の扉。その奥には旅の扉が…。案外ベラヌールから出勤してたりするんじゃないかな。
とか、思ってみたりする。

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