FE考察~辺境の英雄たち

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【草原の狼】
 オレルアンに逃げ込んだニーナを追ってマケドニアがオレルアンに攻め込んだ。だが遠征軍は2年かけてもニーナを捕えることは出来ず、結局撤退を余儀なくされてしまった。
 この2年間の攻防はいかなるものだったのか?
 マケドニア竜騎士団による空からの強襲はオレルアン軍にとっては未知の戦術であり、パニックに陥ったに違いない。アカネイアやグルニアのような軍事大国は大型弩クインクレインを多数備えているが、そのような対抗策は用意出来ていない。そうしてオレルアンの本城はあっさりと陥落した。
 だがオレルアンが誇る草原の狼ハーディンは城を“捨ててから”が強かった。拠点を固定せず、騎兵の機動力と地の利を活かした神出鬼没のゲリラ戦法でマケドニア軍を散々に翻弄したと考えられる。それは元々定住しない遊牧民族であったオレルアン騎兵にとっては本来の戦い方だった。かつてアカネイアから侵略してきたオレルアン王族・貴族の祖先を散々苦しめた戦術をマケドニア遠征軍に対してやってみせたのだ。
 騎馬民族との融和を果たした草原の狼ハーディンならではの戦いであった。(参考:ハーディンの理想)また、ニーナにとって不慣れな馬に揺られながらの逃亡生活は耐えがたいほど過酷だったはずだ。それに耐えきれた要因はハーディンとの深い信頼関係を築けたことと、ニーナ自身が生来持つ精神的な強さではないか。(参考:暗黒皇帝の真実)

 そうして『マケドニアは大した事が無い』事を宣伝し、抵抗勢力を集め、少しずつ反ドルーア・アカネイア再興の気運を盛り上げたのだ。

【ガルダの海賊】
 マルスは港町ガルダに上陸して早々“ガルダの海賊”に襲われた。
 注目すべきはそこにマケドニア騎兵が混ざっていた事。マケドニア遠征軍の手はここまで伸びていた。マケドニアはマルスの首を取るために現地の海賊と手を結んでいたのだ。
 マルス上陸の報を正確に掴んでいたことから、タリスでのマルスの動きはガルダの海賊&マケドニアに把握されていたことは間違いない。タリスでのクーデターを裏で糸を引いていたのはマケドニアだったという仮説も成り立つ。(参考:タリスの乱)
 敵将がマケドニア騎士ではなく、ガルダの海賊ゴメスだったことから、マケドニア指揮下ではなく、利害関係で手を組んだと考えるべき。タリスに亡命したマルスの情報はマケドニアがアンテナを張っていたというよりも、ガルダの海賊がマケドニアに売り込んだと見るのが自然と思われる。
 一緒に襲って来た騎兵はオレルアンにいる本営から派遣された連絡役といったところだろうか。それなら海賊と一緒に突撃する必要は無いはずだが、功名心に駆られたか、海賊たちに乗せられたか、弱みを握られるなど参戦せざるをえない状況に追い込まれたか、いずれにせよ彼らはマチスのようなマケドニア貴族出身の若者だったのではないかと想像出来る。

【兵種構成から見える軍のイメージ】
 マケドニア軍は“草原の戦い”において現地で徴用あるいは雇用したハンターや戦士を攻撃に参加させている。海賊と手を組むのもそうだが、マケドニア軍は現地の人間を使って戦力不足を補っている。そういえば第2部2章のルーメル将軍も現地のハンター・ウォレンらや、安い装備と訓練で戦力に仕立て上げたソルジャーを用いている。マケドニア軍はそういう民兵を使うのが上手いようだ。
 逆にグルニア軍は正規兵のソシアルナイトやアーマーナイト、アーチャーを中心に構成されている。高価な装備と長年の訓練を要するこれらの兵種は、現地で駆り集められた民兵というわけにはいかない。グルニアには民を戦に巻き込まないという方針や美学があるのかもしれない。それゆえにグルニア騎士によるアカネイア領の占領統治は概ね好意的に受け入れられたと思われる。しかし広大なアカネイア領を守り切るにはグルニア騎士だけでは人手不足だった。それが暗黒戦争の敗因になってしまったのは皮肉な話である。

【しんがりの将】
 マケドニアの遠征軍は窮地に陥っていた。戦略目標であるニーナは捕えられず、オレルアンの周囲は既に反ドルーアの気運は盛り上がっていた。ニーナやマルスの勢力は続々と増大しているのに対し、遠征軍は元々の戦力不足に加え兵員補充もままならなくなってきた。
 マケドニアの遠征軍の大将はミシェイル王の妹にして“赤い竜騎士”ミネルバで、マリオネス将軍は副将というポジションだと思われる。だがおそらくミネルバはお飾りの大将でマリオネス将軍の方が実質上の大将だと考えられる。
 タリスでの旗揚げから連戦連勝のマルス軍と機は熟したと勝負に出たハーディン軍を同時に迎え撃つマケドニアだが、そこにマケドニア軍の象徴たる竜騎士はいなかった。ミネルバら主力の竜騎士団は同盟軍の突入直前に本国マケドニアに向かって撤退した後だったからだ。
 最初から負け戦なのは決まっていたが、副将マリオネスの目的はミネルバを逃がす為の時間稼ぎと同盟軍を一人でも多く道連れにすること。ハーディンやマルスを討ち取る事に成功すれば、同盟軍の追撃を大幅に遅らせられる。そこでマリオネス将軍は同盟軍がマケドニア騎士たちを打ち破ってオレルアン城に迫ったその時に近隣の砦に潜ませていた天馬騎士と騎兵を突っ込ませる罠を仕掛け、城内に突入されてからも冷静に指示を出していた。
 マリオネス将軍はオレルアンでは成果を上げられず散って行ったが、決して無能な人物ではなく、大陸でも屈指の名将だったのではないか。しかし祖国を遠く離れたアウェーの戦場で、しかも後に暗黒皇帝となる草原の狼ハーディンでは分が悪かった。

 マルスを加えた同盟軍の動きは速く、オレルアンを落としてすぐにレフカンディに向かい、そこでマルスとミネルバは出会うことになる。



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この記事へのコメント

cvhiryuu
2014年03月02日 14:00
 今回も楽しく拝読させて頂きました。
 
 レフカンディでのやり取りをみると、確かにマリオネス将軍の死で一気にミネルバの立場が悪くなっている事が分かります。彼はグルニアやドルーアにも一目置かれる有能な人間との評価は一理あると思います。

考えてみると、マケドニアから物資や兵員を運び込むよりも、現地のハンターやソルジャーを金銀で雇用した方が輸送の手間はずっと少なくて済みます。尚且つ、「お金を受け取って働いたのだから今日から君も反アカネイア連合のメンバーだ」と現地人を仲間に引き入れる(?)効果も見込めます。

 ミネルバが切り込み型の「将軍」とするならば、マリオネスは軍事行動の他に補給線維持や占領地政策等の政治もこなせる「ジェネラル(元の意味を考えると「なんでも屋さん」なんですよね…)」として彼女を補佐していたのでしょう。

 客観的に見ても(プレイヤーには英雄戦争編で分かった事ですが)政治能力が皆無に等しいミネルバの我儘を抑えて、なんとか協力を得られそうな現地民を懐柔していき、補給線を守る為に海の民(=ガルダの海賊)との折衝もこなし、長期遠征で不平を漏らす兵士達の宥め役も務め…凄い激務です。

竜騎士団の撤退はミシェイルとマリオネスには「補給線(食用のお肉?)が切れた状態で無理に動かして無駄死にさせるわけにはいかない」と納得済みの話であったと思います。しかし、内情を知らないグルニア軍の目には「あれだけ貢献してきた忠義者でもミネルバはあっさり見殺しにした→恐ろしい女だ→こんなのの命令に従っていたら命が幾つあっても足りない」と写ったのではないでしょうか?それがレフカンディにおけるハーマインの強硬姿勢と、突撃命令だけ下して上司が敵前逃亡するというとんでもない目にあったドラゴン、ペガサスナイト4人組の悲劇に繋がった…のでしょう。
togege
2014年03月02日 18:42
>cvhiryuuさん
コメントありがとうございます。
ゲームをプレイしてみて敵の配置や動きから、敵将の評価をしてみたらマリオネスの評価が思いの外高くて驚きました。おっしゃる通り彼は実務能力や交渉能力に長けた便利屋なんですよね。殺すには惜しい人物ではありますが、きっとオレルアンの人々には相当恨まれていたのでしょう。
本文では抜けていましたが、海路からの補給線を守るためにガルダの海賊を味方につけていたというのは、大事なポイントでした。
ミネルバの苦境については次回のお話で…
あらた
2014年03月03日 20:29
考察お疲れ様です。


猪突猛進かつ我儘で同盟国とトラブル起こしまくりと遠征軍の司令官としてはあまりにも問題のありすぎるミネルバの性格・行動を考えるとマリオネスの存在は非常に得難い物だったんでしょうね。

隠れた名将であり、同時に職業人の鑑とも言える人物ですね(苦笑)。
togege
2014年03月03日 20:50
>あらたさん
コメントありがとうございます。
ゲーム中では目立たなかった隠れ英雄的な人物を発掘するのは個人的に楽しいです。反響は主役クラスと比べると微々たるものですが(笑)
ロギー
2014年03月04日 22:05
マリオネス将軍の非凡さは驚くばかりです。
馬鹿兄貴のマチスやミシェイルやミネルバをみるとマケドニアってろくな人材がいないイメージがありますが、いるにはいたんですね。
マリオネス将軍がいたから辛うじてマケドニア軍は挽回できる余地があったんでしょうね。
それを馬鹿姫のミネルバは台無しにした最悪ですが、マリオネス将軍の意見をミネルバが素直に傾けたらマケドニアは勝てた可能性があると思います。
正直言ってマリオネス将軍を総大将にすべきでしたよ。
ミシェイル最大の失策です(そもそも、自分に反抗的な愚妹をお飾りでも大将にするなんて愚の骨頂です。ミシェイルは本当は愚王だったと思います)

ミネルバの苦境ですが、彼女は自分の立場を理解できない大ばか者が正しいです。
でも、彼女は何をしたかったのか知りたいですから興味があります。

追伸:マルスはブレがないですよね。
最期までミシェイルやミネルバやカミュたちと異なり
現実主義を貫く見事だと思います。
togege
2014年03月04日 23:54
>ロギーさん
コメントありがとうございます。
ミシェイル、ミネルバに関しては反響が多いので、何故愚かに見えるのか?まで深く踏み込んで考察したいと思います。あとマチスも。
cvhiryuu
2014年03月05日 17:35
逆にミネルバを遠征に出した意義を考えると「ドルーアに背後を突かれた際の一族全滅を避ける」リスク分散と言うのが最大の利点だと思います。

これは竜騎士団の最精鋭部隊がマケドニア本国に比較的早い段階で撤収したり、マケドニアの武具屋にドラゴンキラーが売られていたりする理由でもあるでしょう。

反アカネイアという呉越同舟の立場ゆえに協力し合っていますが、歴史的経緯からマケドニアとドルーアは何時寝首をかくかかかれるかの緊迫した関係です。
 精鋭部隊とドラゴンキラー装備部隊をドルーアの出口に置くことで、ドルーアが簡単にはマケドニアを奇襲できない態勢を築くと同時に、遠征先にいるマリオネスがミネルバを擁立して嘗てのアイオテの如くゲリラ戦に出られる準備を整えておけば、ドルーアがマケドニアに手を出すのは難しくなる筈です。ミシェイルにしてみれば「仮に俺とマリアを殺せても、マリオネスがミネルバを擁立するだけだから無駄だぞ」とガーネフやメディウスを抑止する大きなカードになります。

 アルテミスやニーナの例から、当時のアカネイア大陸では「逆襲作戦の看板とするなら王族」というのが社会常識であった事が分かります。幾ら有能でも、マリオネスでは他のマケドニア軍人には単なる先輩や同僚ですので、「本国がドルーアに奇襲されミシェイルが戦死or生死不明」という非常事態における求心力には不安が生じます。

 尤も、仲間割れを気にし出した時点で、ほぼ一枚岩の組織を築いたマルス・ハーディンのタッグに大きな差を付けられた証拠になっていますが。
maki
2014年10月24日 06:15
ガルダの海賊のマップで登場するのはマケドニア兵ではなくて、グルニア兵です。
でも、それ以降グルニアが特に何かしたということもなく、みすみす、オルレオン、ひいてはアカネイアまでマルスの侵攻を許すわけです。
だから、その時点でグルニアが対策を打ってきたということは考えにくく、むしろたまたまそこに派遣されていた治安維持部隊か、物資調達係か何かが、とりあえず参戦しただけではないでしょうか。そしてあっけなく敗れたうえに連絡も取れなかったため対処が遅れに遅れてしまったのではないかと思います。少なくとも合流する前に叩くぐらいの戦略は両国にはあったように思われます。

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